ツイッターではトレンド入り
大人気映画『ハイスクール・ミュージカル(HMS)』で登場した高校を舞台に現代の高校生たちの青春を描くミュージカル・ドラマ『ハイスクール・ミュージカル:ザ・ミュージカル』は、ディズニープラスで最新シーズン3が配信中。
本作は、ドラマ発でミュージシャンとしてもブレイク中のオリヴィア・ロドリゴやジョシュア・バセットなどによるハイレベルなミュージカルパフォーマンスや、映画『HSM』へのオマージュのほか、ボディポジティブな演出やLGBTQ+キャラの描き方などで評価を受けている。そんなドラマが8月31日配信のエピソードで、メインキャラのひとりであるアシュリン(ジュリア・レスター)のカミングアウトを描いた。
アシュリンは以前のエピソードから何かにつけてヴァル(メグ・ドネリー)にきつく当たっており、第5話ではその様子を見たマドックス(セーラー・ベル)に「大声をあげたって好きな気持ちは伝わらない」と言われ、「とんでもない誤解」とショックを受けていた。第6話でもアシュリンはヴァルだけにきつく当たり続けるのだが、最後のシーンで、「ごめん あなたにキレてばかり」とヴァンに謝罪。「こんなに親切なあなたになんでキレるのかしら」と涙目で言うのだが、そんなアシュリンをヴァルがハグした瞬間に2人の背後で大きな花火があがり、アシュリンが「そういうことか」と気づく。
ヴァルにハグされた瞬間にアシュリンのなかで何かが抑えきれず爆発する様子を花火でうまく表現したこのシーンは、ツイッターですぐさま大きな話題に。アメリカでは毎週水曜日の新エピソード配信日にツイッターでドラマ名を省略した「#HSMTMTS」がトレンド入りしているが、このシーンの配信直後には「Ashlyn」もトレンド入り。5時間もトレンドを続けて、多くの視聴者が、自身のセクシャリティに気づいてそれを受け入れたアシュリンに温かいメッセージを送った。
ドラマのクリエイターであるティム・フェデラーはフロントロウ編集部とのインタビューで、「現代の若者たちが経験しているリアルな現状を反映することを目指しています」と語っていたが、ツイッターではLGBTQ+コミュニティに属する人でアシュリンと同じような経験をしたことがある人からこのストーリーを称える声も見られた。
さらにアシュリンは、これまでのシーズンで、自分の不安と向き合い、成長し、様々な魅力が描かれてきたキャラクター。多様な魅力が確立されたキャラクターであるアシュリンを通してカミングアウトというテーマを描いたことは、“LGBTQ+であることがLGBTQ+のキャラのメインストーリーになりがち”なテレビ界において、そのステレオタイプに陥らない選択だったと言える。
アシュリンを演じ、自身もLGBTQ+コミュニティの一員であるジュリアはエピソードの配信以降、アシュリンのカミングアウトに温かく反応するツイートを“いいね”しているほか、もっと前のエピソードでアシュリンがヴァルにドギマギしているシーンをツイートしたりしている。
Ash was PANICKING https://t.co/vSOe7LtQQX
— Juj (@julialester) August 31, 2022
ちなみに第6話は、アシュリンとヴァルのロマンスの話ではなく、あくまでアシュリンのセクシャリティに関する気づきの話。アシュリンには今もビッグ・レッドというボーイフレンドがいる。両者との関係が今後どのように発展していくのかは今後のエピソードで確認していくしかない。
ドラマ『ハイスクール・ミュージカル:ザ・ミュージカル』シーズン1~3はディズニープラスで独占配信中。シーズン3の新エピソードは毎週水曜日に追加されていく。(フロントロウ編集部)