キット・ハリントンが、育児について現代の父親として思いを語った。(フロントロウ編集部)

キット・ハリントン、現代の父親としての思い

 ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』のジョン・スノウ役で知られるキット・ハリントンの次回作は、親の苦労を描く映画『Baby Ruby(原題)』。新米ママになったインフルエンサーのジョーが主人公で、キットはその夫を演じる。

 そしてキットは、現実でも1歳半になる子どもを育てている。妻で、『ゲーム・オブ・スローンズ』の中でもキットと恋人同士だったローズ・レスリーは、2021年のドラマ『原潜ヴィジル 水面下の陰謀』に主演するなど俳優として復帰済み。2人は協力しあって子育てをしているが、キットは、歴史的に育児に参加してこなかった“父親”という存在が、現在であってもまだ主体的には子育てを出来ていないと感じているという。

 「僕たち父親も子育てにもっと関わるようになっていますが、現代の父親として、時には第三者である感覚があります。子どもを育てる過程に積極的には関わっておらず、何が起こっているのか、どのような感情が起こっているのか、母親やパートナーが何を乗り越えているのかが分からないことがある」

画像: 親子3人で散歩中のキットとローズ。

親子3人で散歩中のキットとローズ。

 トロント国際映画祭における米Peopleのインタビューで、現代の父親として重要な指摘をしたキット。さらに彼は、世の中の多くの親が感じているであろう感覚についても、率直な思いを語った。

 「(監督である)ベスの作品で僕が気になったのが、君はすぐに子どもを愛する、君はすぐに赤ちゃんを愛すると言われることについての感覚です。僕は自分の子どもを大切に思うであろうことは分かっていましたが、それが一瞬で芽生えるような愛情だったのかは分かりません。赤ちゃんは僕の家に生まれた他人で、今、僕はその他人の世話をしなければいけなかった。しかもその他人は、僕を一晩中起こしてくる(笑)。愛を育むことや、誰かを知ることは時間がかかるものでしょう」

 “親ならすぐに子どもを愛するはずだ”というプレッシャーは、乳幼児期の育児でストレスが溜まっている親が自分を責めるきっかけになり得る。もちろんネグレクトや虐待は犯罪行為であり、キットのように世話をしていく覚悟は持つ必要はあるが、育児は苦労が多く、子どもとずっといるのが嫌になったりするのは当然のこと。

 また、自分の子どもだからこういう性格のはずだ、といったような押しつけは良くない。赤ちゃんも別の人間なので、キットが言うとおり、その子を知って愛を育むのに時間がかかるのは仕方ない。

 親として、社会に存在する様々な問題に意見したキットだが、もちろん子どもの成長には日々驚き、喜んでいるよう。最後には、「僕の息子は今19カ月になり、よちよち歩きで歩き回って、物の名前を言っています。“カーテン”とか“カーペット”とかね。その知識には感動しますよ。驚くべきことです。本当に」と話した。

(フロントロウ編集部)

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