フェンディのバゲットが25周年
イタリア発のブランドということで、ミラノコレクションで最新コレクションを発表することが多いフェンディ(Fendi)。しかし今回は、ドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』でキャリーが強盗にバッグを渡せと言われ、「これはバッグじゃない、バゲットです!」と言ったことで一躍人気となった、フェンディのアイコンバッグの25周年をお祝いするために、ニューヨークファッションウィークでショーが行なわれた。
ショーにはキャリーを演じたサラ・ジェシカ・パーカーやキム・カーダシアン、ケイト・モス、シャローム・ハーロウなどが来場し、最前列で鑑賞。
今回のメインはバゲットということで、極小サイズのバゲットがいたるところについているアイテムが登場。そして今回はバゲットと他のブランドがコラボするというサプライズもあった。
フェンディのデザイナーのキム・ジョーンズの友人であるマーク・ジェイコブス(Marc Jacobs)とコラボしたものは、過去の華美と現代の質素が対比され、きらびやかにして冷徹なニューヨークの景観を反映。パラシュートトレーンスカート、バルーンバックのブロークンデニムジャケット、衣ずれの音をたてるセロファンのオペラケープ、蛍光色のリサイクルファーのストールやハットなど、カジュアルがフォーマルに仕立てられている。
ラインストーンやシルバー 蛍光イエローのきらめきが全体に広がり、文字どおり、ほぼ「ローカルカラー」の一例と化した。これはニューヨークの路上で散見されるガラスの建物正面や、作業員の安全ベストから着想を得たもの。それらが誇張されたプラットフォームとして使われ特大サイズとなり、その華々しいシルエットのなかに、「バゲッド」のミニバージョンがいくつも取りつけられている。
ティファニー(Tiffany & Co.)とコラボしたものは、バゲットにスターリングシルバー、エナメル、クロコダイル、ホワイトゴールドやダイヤモンドを使うことで、最も貴重な形に生まれ変わらせた。ホワイトゴールドのバックルにダイヤモンドが散りばめられ、ティファニーの「T」とフェンディの「F」のロゴが互いを引き立てている。
ティファニーの職人たちが4ヵ月かけて丹念に制作したバッグには、ユリとバラ、イタリア国花とニューヨーク州花が刻まれている。
これはフェンディがイタリア国外で初めて結んだ「ハンド・イン・ハンド」のパートナーシップでもあり、ティファニーが誇る最高のクラフツマンシップの表れでもある。
2つのビッグメゾン以外にも、日本の吉田カバンのメインブランドであるポーター(Poter)ともコラボ。フェンディとポーターは以前にもコラボしたことがある。耐摩耗性が高く、それでいて美しさとラグジュアリー感がにじむポーターの有名なボンデッドナイロンに、正確無比な日本のクラフツマンシップが加わり、このコレクションでは軽さと機能性がキーに。ポーターコレクションはバゲットの最新型の1つであるバム バゲットの提唱者でもある。
また、バゲットはその名を押しあげたサラともコラボ。サラとのコラボは、シルヴィア・フェンディとともにデザインされ、パープル、ワサビベビーピンク、またはソフトブルーのグラデーションスパンコールが刺繍され、持つ人の気分に合わせて4種類のバックルを取り換えることが可能となっている。
(フロントロウ編集部)