アレック・ボールドウィン主演の映画『Rust』の撮影現場で起きた銃誤射事件で、関係者と遺族が和解した。遺族の同意のもと、映画の撮影再開も決まった。(フロントロウ編集部)

映画『Rust』の撮影現場で起きた銃誤射事故で関係者と遺族が和解

 映画『Rust(原題)』の製作陣と同映画の主演俳優でプロデューサーでもあるアレック・ボールドウィンが、銃誤射事故の遺族と和解したことがわかった。

 昨年10月、米ニューメキシコ州で撮影中だった映画『Rust』のセットで、撮影監督のアリナ・ハッチンスが小道具の銃の誤射によって亡くなる事故が発生。この事故でジョエル・ソウザ監督も負傷した。銃に弾が装填されていることを知らずに撃ったアレックは、事前に銃を確認した助監督から“安全”だと伝えられており、彼に銃を渡した助監督や武器係の確認不足が事故の原因と見られている。また、アレックが撃った銃は正確には小道具の銃ではなく“本物の銃”で、なかに実弾が入っていたことがその後の捜査で明らかになっている

 FBI(連邦捜査局)が新たに行なった科学捜査の結果、問題の銃は「引き金を引かなければ発射させることができない」と結論づけられたが、アレックは事故の責任はアーマラーと呼ばれる武器係のハンナ・グティエレス・リードと、自身に実弾が入っていない“コールドガン”だと言って銃を渡した助監督のデイブ・ホールズの2名にあると主張。事故発生以来、亡くなったアリナのことを考えない日はないとしたうえで、事故の責任は自分にはないという姿勢を貫いている。

画像: アレック・ボールドウィン(左)と亡くなった撮影監督のアリナ・ハッチンス(右)。

アレック・ボールドウィン(左)と亡くなった撮影監督のアリナ・ハッチンス(右)。

 アリナの遺族は、『Rust』の撮影現場で基準違反があったとして、アレックを含む映画の製作陣に対して訴訟を起こしていた。アリナの夫マシュー・ハッチンスは、現地時間10月5日に発表した声明を通じて訴えを取り下げると同時に、『Rust』の撮影再開に同意したことを明かした。和解の一環として、『Rust』の製作総指揮をアリナの夫マシューが務めるといい、撮影は2023年1月から再開される。撮影にはアレックを含むオリジナルのキャスト全員が参加するという。

 マシューは、「私は(ボールドウィン氏やほかのプロデューサーたちを)逆恨みしたり、責任の所在を追及したりすることに興味はありません。私たちは皆、アリナの死が恐ろしい事故であったと信じています。プロデューサーとエンターテインメント界が一丸となって、アリナの最後の作品に敬意を表してくれたことに感謝しています」と述べている。

 また、アレックも「この困難なプロセスのあいだ、全員が、残されたアリナの息子のために最善を尽くしたいという明確な希望を持ち続けていました。この悲劇的でつらい状況の解決に貢献したすべての人に感謝しています」とコメントを発表している。(フロントロウ編集部)

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