ジョージ・クルーニーとジュリア・ロバーツが5度目の共演を果たしたロマコメ映画『チケット・トゥ・パラダイス』。ロンドンにキャストが集まって開催された記者会見に、フロントロウ編集部が潜入した。(フロントロウ編集部)

ジョージ・クルーニー&ジュリア・ロバーツのために作られた映画

 11月3日(木・祝)に公開される映画『チケット・トゥ・パラダイス』は、犬猿の仲にある元夫婦のジョージア(ジュリア・ロバーツ)とデヴィッド(ジョージ・クルーニー)が、バリ島で出会ったばかりの青年グデ(マキシム・ブティエ)とスピード結婚しようとする娘リリー(ケイトリン・デヴァー)が自分たちと同じ過ちを犯さないように“一時的な協定”を結んで娘の結婚式を阻止しようとする、ハートフルで大人な笑いも満載のトロピカルリゾートコメディ。

画像1: ジョージ・クルーニー&ジュリア・ロバーツのために作られた映画

 『オーシャンズ』シリーズぶりに“夫婦”役…ならぬ“元夫婦”役を演じ、今回で5度目の共演となるジュリアとジョージ。監督と脚本を担当した『マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー』のオル・パーカーは2人が演じることを想像して脚本を当て書きしたそうで、2人が出演をOKしなければ「僕がここに座っていることなどなかったし、この作品を作ることはなかっただろう」とまでコメント。それに対し、ジョージは「公平のために言っておくが、ジュリアの際どい写真を彼に握られていたんだよ」とジョークを飛ばした。そしてここから、ジョージとジュリアの“夫婦漫才”の幕が開ける。

画像2: ジョージ・クルーニー&ジュリア・ロバーツのために作られた映画

 役柄にどのように惹かれたのかという質問では、ジュリアが「ジョージに嫌味を言う機会があるということだけで、惹かれたの。その点には本当に惹かれたわ。彼が哀れなほどに私に恋をしている姿を目にし、私は明らかに吹っ切れているということに、ね」とジャブを飛ばすと、ジョージがすかさず「彼は我慢ならないひどい女の相手をしなければならない」とカウンターを返し。

 続けざまにジョージが「(出演の決め手として)大切だったのは、シットコムの女王、ロマコメディの女王と共演できるということだった」とジュリアを褒めるかのようなそぶりを見せると、「ところがその人が出演できなかったので、代わりにジュリアと共演したんだ」と急旋回。さすがのジュリアもこれには「えーーー!」と絶叫。「私に(自分のことだと思わせて)安心させる時間を与えておいてから、そう来るわけ?」「僕が誠実だとでも思ったのか」と卓球のようにポンポンと玉を返し合うと、ジュリアは「ここ2日間、ずっとこの調子」と、ジョージとのプレスツアーにやれやれという表情を見せた。

 そんな2人の“相思相愛ぶり”が頂点に達したのが、「スクリーンの共演が5回目までくるとツーカーの仲なのか?」という質問が飛んだとき。これに2人はこう回答。

ジョージ:うーん。
ジュリア:お互いのことはかなりよく分かっているよね。
ジョージ:ああ、そうだね。お互いのことは…
2人同時に:よく分かっている。

 まさにツーカーの仲の2人だが、劇中のやり取りのなかで、監督から演技指導が入ったことが一度だけあったという。「お互いが言い争うというシーンで、ジョージはガンガン行っていたのに、ジュリアが『ノー』と言ったんだ。3カ月間で僕が彼女に演技指導をしたのはその時だけだったが、『ジュリア、どうしたんだ?』と聞くと、『私はただジョージに意地悪したくないだけなの』と言っていた。『彼にそうしてあげないと』と言ったら、やってくれた」とパーカー監督。

画像3: ジョージ・クルーニー&ジュリア・ロバーツのために作られた映画

 そして話は、2001年の『オーシャンズ11』での出会いへ。会った瞬間からこの調子だったそうで、ジョージが「スティーブン・ソダーバーグと一緒に会った。二人してホテルの床に座り、5時間もの間、ジョークを言い合った」と回想すると、ジュリアも「そうだったよね」と懐かしそうな表情。

 「僕たちはいつでも気の許せる仲だった。脚本が送られた時は…。思い出すのは、脚本が僕とジュリアに同時に送られてきた後、 ジュリアに電話して、『あれ、もう読んだ?』と聞くと、彼女は『今ちょうど読んでいるところ』と言い、僕がそこで『本作は演じるのが君じゃないとダメだ』と言った。すると彼女も『こっちも同じ』と言った。幸いうまくいったので、そういう意味で僕たちは、ただ運が良かったのだと思うよ」。

 珍しくマジメに答えたジョージだが、やはりジョークは言わずにいられないようで、「友達と一緒に仕事をするのは楽しいものだね。それからジュリアとも」と最後につけ足すと、ジュリアは笑いながら「これは分離不安ね。今あなたがやっているのはそれよ。私がもうすぐ飛行機に乗って行ってしまうものだから、彼は私のことを拒絶している」と分析。思わずジョージも「そうなんだよ」と返していた。

若手にとってジュリア&ジョージとの共演は「マスタークラス」だった

 ジョージとジュリアの“夫婦漫才”に笑いっぱなしだった若手勢たちからは2人との思い出話が。

 2人の娘リリー役を演じたのは、映画『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』やドラマ『アンビリーバブル たった1つの真実』など出演作が批評家から高く評価されているケイトリン・デヴァー。『チケット・トゥ・パラダイス』に惹かれた理由として「ジョージとジュリアとの共演がプラスアルファの要素だったのは確か」だとしたケイトリンは、「ロマコメをやったことがなかったということがあったと思うし、私はいつも何かそれまでとは異なることをやって、脳の違う部分を使おうとしているのだと思うの。この映画の脚本はいきなりとても楽しいものだったから、制作現場がとても楽しいものとなることは分かっていた。読んでいてとても特別な感じがした。オルは本当に才能あふれる人なの」とコメント。

 そして2人との共演については、「本当にマスタークラスだった。本作では二人の仕事ぶりや演技を目の当たりにして、私はまるでスポンジになったような気分だった」と感無量の様子で語った。 

画像1: 若手にとってジュリア&ジョージとの共演は「マスタークラス」だった

 リリーの結婚相手であるグデを演じたマキシム・ブティエは、なんと、本作でハリウッドデビュー。1本目からジョージとジュリアと共演できたのは「クレイジーな体験」だとした彼。役が決まったあとはジョージの出演作品を見まくったせいか緊張してしまったそうで、監督に「観るのをやめろ」と諭されたという。

画像2: 若手にとってジュリア&ジョージとの共演は「マスタークラス」だった

 一方、ジュリアの今彼ポール役にキャスティングされたリュカ・ブラヴォーは、「電話があったとき、僕は異次元の世界に行ったようだった。両親に電話することもせず、このことを誰にも言わなかった。ただすぐに仕事に取り組んだよ」と振り返り、共演については「(演技のなかで)誰かに役に立つということが初めて分かった気がする。ジョージとジュリアとのシーンでは毎回、二人が僕にもスポットライトを当ててくれようとしているのだと感じた」と述べた。

画像3: 若手にとってジュリア&ジョージとの共演は「マスタークラス」だった

1分100万ドルの酔っ払いダンスにも注目!

 はっちゃけシーンが多い『チケット・トゥ・パラダイス』のなかでも、予告編にも映る、泥酔したジョージとジュリアのクラブ/パブでのダンスシーンは最高に印象的。

 リハーサルなしでシーンに挑んだというが、ジョージいわく、若いキャストは2人の泥酔演技に本気で圧倒されている様子だったという。「3人の若手たちがそこに座っている様子を見るのは楽しかったね。僕とジュリアは『さあ、盛り上げて行こう!やるぞ!』と言ったんだが、彼らはこんな感じ(呆然とする様子)だった。最初のテイクでは口をあんぐり開けて、『冗談だろ』みたいな感じだった」。

 このシーンの音楽にはハウス・オブ・ペインの「ジャンプ・アラウンド」が使用されているが、「かなりの高額」だったという曲の使用権を得るために奔走した監督は、「1分以内に収まると約束していたんだが、1分4秒だった。そうなるとさらに100万ドルかかる。でもあまりに良かったから、僕はその4秒をカットさせられなかった。僕は59秒だと保証したんだが、最終的にはうまいことやったんだ」と、爆笑シーンの裏で起きていた壮絶なストーリーを告白した。

 そして、パンデミックを経験した世界中の人々に休暇を与えるためにも『チケット・トゥ・パラダイス』を作りたかったというジュリアは、「私の目的はいつも人を笑わせることなの。ジョージも私も、人を笑わせることが大きなモチベ―ションだと感じている。だから何かをするたびに、セットの反対側にあるモニターのところからみんなの笑い声が聞こえてくるのは、私たちにとって大きな喜びだったの」と、本作の制作は自身にとっても心身を満たす経験だったとしている。

 今はたくさんのコンテンツがあふれる時代だが、大物映画スターを主演に純粋に笑えてほっこりできる王道ロマコメは今では珍しいものになっている。笑って幸せな気持ちになりたい人には、100%の自信でおすすめできる映画『チケット・トゥ・パラダイス』は、11月3日(祝・木)より全国ロードショー。(フロントロウ編集部)

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