アカデミー賞常連俳優のジェニファー・ローレンス
『呪術廻戦』の主人公である虎杖悠仁が学長に挨拶する際に、「虎杖悠仁です!! 好みのタイプはジェニファー・ローレンス。よろしくおなしゃす!!」と言ったことで話題になったジェニファー・ローレンス。
海外映画好きなら知っている俳優の1人で、身長は175cmほど。大ヒット映画『ハンガー・ゲーム』シリーズや『レッド・スパロー』の主演、『X-MEN』シリーズのミスティーク役などで知っている人も多いはず。
また、その演技力は高く評価されており、『ウィンターズ・ボーン』、『アメリカン・ハッスル』、『ジョイ』でアカデミー賞にノミネート、『世界にひとつのプレイブック』ではアカデミー賞主演女優賞を受賞している。
男女の賃金格差に声をあげてきたフェミニスト
そんな彼女は、フェミニストとして有名。
彼女が女性の人権のために声をあげるきっかけとなった大きな出来事の1つといえば、2014年に発生したソニー・ピクチャーズ・エンターテインメントからの情報流出事件。サイバー攻撃を受け、ハリウッド俳優の給与明細を含む様々な情報が外部に漏れたのだ。これによって、彼女が2013年に出演した『アメリカン・ハッスル』における女性俳優と男性俳優の間の大きな格差が明らかになった。
ジェニファーは2015年と2016年に、米フォーブスによる「最も稼ぐ女優」に選ばれており、そんな彼女が声をあげることを批判して声を塞ごうとする流れもあったが、これは性別に基づく差別の問題。
ジェニファーはギャラ交渉が苦手だったが、「その考えで良いと思ってた。あの給与記録をインターネットで見て、自分が過去に一緒に働いたすべての男性が、『めんどくさい』とか『図太い』とかを全然気にしてないことに気づくまでは」と話し、「自分の意見を表明するのに『可愛らしい』方法を探して、好かれるタイプでいるのを止めた。そんなの、クソッタレ」と、過去のインタビューで明かしている。
夫はアート系、流産を経て第1子誕生
ジェニファーは、2019年にアートギャラリー・ディレクターのクック・マロニーと結婚。彼と結婚したことについて、「『(結婚するなら)この人だ』と思ったんです。バカみたいに聞こえるかもしれないけど、そう思ったんです。だって本当にそうなんですよ。彼はこれまでに出会った人たちのなかで最も素晴らしい人間」と話しており、心から愛する人を見つけられた幸せが伝わってくる。
そんな彼女だが、2度の流産を経験していることを明かしている。1度目は、20代前半の頃に望まない妊娠をした時だったという。そして2度目は、映画『ドント・ルック・アップ』の撮影期間中だったそう。しかしその数カ月後にふたたび妊娠し、2022年2月に第1子を出産した。
自身は子どもを持つことを選んだ彼女だったが、その選択は女性ができるべきだという信念を持っており、アメリカにおける中絶禁止法に反対する抗議デモにお腹が大きい時に参加している。
共和党支持家庭で育ち、民主党支持に
そんな彼女が最近多くの人の共感を得たのが、保守的な家族との関係における苦悩。
保守派である共和党を支持する家庭に生まれ育ち、バラク・オバマ氏が勝利した2008年大統領選では共和党のジョン・マケインに投票したというジェニファー。しかしドナルド・トランプ氏のことは批判してきており、2020年には「私は自分が民主党支持者であることを、誇りを持って言えます」とツイッターに綴った。
保守派は女性の人権を認めない、税金によって社会格差を是正することにも反対する傾向が強いため、ジェニファーはこの点を支持できないという。さらにアメリカでは銃賛成派に共和党議員・支持者が多く、現在赤ちゃんを育てている彼女は、その点にも反対している。
米Vogueのインタビューでジェニファーは、自分の家族について、「生まれた時から娘を育てていて、彼女には同じ権利が値しないと信じられるのはなぜ?どうやって?」と話し、「乗り越えようとしましたが、本当に出来ない。出来ないんです。愚痴ってしまってすみません。でももう、政治的でない人と関わるのは無理なんです。みんなはアメリカに住んでいる。なら政治的になる必要がある。切迫しているんです。政治が人を殺している」と悲痛な思いを語っていた。
虎杖が好きなジェニファー・ローレンスは、信念を持ち、行動し、闘うかっこ良い女性なのだ。
(フロントロウ編集部)