ルーク・エヴァンス、ジェームズ・ボンドの変化を喜ぶ
1962年より続くイギリスの国民的映画シリーズ『007』では、これまでに6人の俳優が主人公のジェームズ・ボンドを演じてきた。6代目ボンドで、15年にわたって主演を務めたダニエル・クレイグが2021年の『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』で同役を卒業したため、7代目は誰になるのかという予想合戦はここ数年盛り上がり続けている。
多くの俳優の名前があがっているが、『美女と野獣』や『ワイルド・スピード』シリーズで知られるウェールズ出身のルーク・エヴァンスも有力候補の1人。そんな彼が先日、英Independentのインタビューで、『007』シリーズの変化について称賛の意見を述べた。
「私たちはもう、1作ごとにボンドが5人の女性と寝るようなロジャー・ムーア(の時代)にはいないでしょう。ボンドはもうそういうキャラクターではない」
『007』シリーズにおいては、“ボンドガール”という言葉が表すように、女性キャラクターがボンドの所有物的に描かれていたり、性的に描かれていたり、ボンドに対してあまりに若かったりと、様々な問題があることは長年批判されてきた。これを改善することは長年の課題だったが、ダニエルのボンドは『007 スペクター』より、レア・セドゥ演じるマドレーヌと真摯な関係を築き、他の女性キャラクターの立ち位置や描かれ方も変化したため、評価されている。
半世紀以上続く世界的に大きな人気を誇るシリーズでは、当然女性のファンも非常に多く、若い世代の観客も多い。それを考えると、ルークが、「人々はアクションやストーリーにもっと興味があると思います」と話すのは的を射ているだろう。
ルークは過去にも、英The Guardianのインタビューで、「最近の観客の熱気については分かりません。観客はジェームズ・ボンドがベッドルームで何かをしているかについて、そんなに気にしているのでしょうか」と指摘していた。
そして、ルークはゲイであることを考えると、彼がボンドを演じることになったら、相手役に男性俳優の起用を望むのだろうか? 彼はIndependentに、自分は様々なキャラクターを演じてきたので、自分のセクシャリティは役に影響しないとしたうえで、「私はすべてのタイプを演じてきたし、誰もそれを気にしないようです。そしてボンドも変化してきた」と、含みのあるコメントを残した。
制作陣は7代目ボンドに若めの俳優を起用するつもりだというウワサは有力だと見られており、現在43歳のルークが次のボンドとなる可能性は低そうだが、少なくともダニエルのボンドによって『007』シリーズは時代によって変化できると証明したため、次のボンドはシリーズに新しい風を吹き込んでくれる俳優になってほしい。
(フロントロウ編集部)