『君の名前で僕を呼んで』監督、続編の構想
2017年に公開され、主演ティモシー・シャラメの人気を不動のものにした映画『君の名前で僕を呼んで』は、2020年にルカ・グァダニーノ監督が続編の計画が進んでいることを明かしていた。しかし2021年に、オリヴァーを演じたアーミー・ハマーに、女性への暴力や“食人願望”についての疑惑が浮上。彼は出演予定だった作品をすべて降板し、エージェントとの契約も解除された。
これにより、『君の名前で僕を呼んで』の続編の実現も不可能に思われ、監督も騒動について、「女性は歴史的に家父長的な権利によって低い立場に置かれてきました。その不公平に建設的に取り組み、真の変化をもたらすことが重要」だと発言。「最も重要なことを、スキャンダルによって低下させてはいけない」と、ただ騒ぐことには苦言を呈したが、女性の人権を守らなければいけないという態度を見せた。
しかし、続編制作について諦めたわけではないようで、今年9月には、「次の作品はエリオの伝記のようなものになるでしょう。若い少年が大人の男性になっていく話です。それが私がやりたいことです」とコメント。ということは、実現するならティモシーの単独主演かと思われたが、そうではないかもしれない。
先日グァダニーノ監督は米Varietyのインタビューに答え、「私のすべての映画で、2作目、3作目、4作目を作りたいです。なぜかって?なぜなら、一緒に働いた俳優たちを本当に好きだからです。なので一緒にやったことでの幸せを、また繰り返したいのです」と話した。
1作で完結する映画が好きな監督や3部作が好きな監督など、それぞれの好みは様々だが、グァダニーノ監督は続編やスピンオフの制作に大きな感心があるよう。しかし『君の名前で僕を呼んで』に関しては、「構想もありませんから、続編もありません。ただただ、私の願いと欲望の話です。その物語がどうなるかについて、考えを完成させてもいません」と注意する。
そのうえで、アーミーが演じたオリヴァーが続編に出る可能性はあるかと聞かれた監督は、「イエス。もちろん」と答えた。彼が、アーミーに続投してほしいのか、別の俳優をオリヴァーにすることを考えているのかは不明。さらに監督は、パールマン家で働くマファルダについて触れ、「あの家族と一緒にいない時のマファルダの人生がどのようなものかを見ることには、とても興味があります」という思いも明かした。
現時点では計画はないと見られる『君の名前で僕を呼んで』の続編だが、制作されるとしたら、内容なキャスティングには様々な可能性がある。
(フロントロウ編集部)