ホールフーズの2023年トレンド予想
ホールフーズ(Whole Foods Market)は、アメリカやカナダ、イギリスに500を超える店舗数を誇る自然派スーパーマーケットの大手。
そんなホールフーズが毎年発表しているのが、食のトレンド予想「Top 10 Food Trends」。ホールフーズのトレンド予想は、製品の調達とユーザーの嗜好の調査に関する数十年にわたる経験と専門知識に基づき、バイヤーや料理の専門家、農家を含む50人以上のチームによって決まる。その的中率はかなり高く、世界中の食品業界から毎年注目が集まるほど。
2023年のトレンド予想では、サステナブルなキーワードがこれまで以上に増加。発表された10のキーワードの中から注目の7つを解説。
知られざるカフェイン飲料「ヤポン」
ホールフーズのトレンド予想の中でもとくに注目のキーワードが「ヤポン」。ヤポンとは、アメリカの南東部などで多くみられる木のことで、カフェインを含むのが特徴。
アメリカの先住民の間では古くからヤポンをハーブティーとして取り入れるのが伝統となっていて、このヤポンを使ったドリンクがトレンド入りすると予想されている。すでにホールフーズでは、ヤポン入りのコンブチャやハーブティー、ヤポンのパウダーなど豊富なラインナップで展開されている。
植物性ミルクの副産物も無駄にしない「アップサイクルパルプ」
もはや海外では定番となっているオーツミルクなどの植物性ミルクは、環境への負荷は少ないものの、それでも多くの副産物が無駄になっている。その代表的なものが搾りかすであるパルプ。
2023年は、オート麦や大豆、アーモンドのパルプを活用した製品が大注目。クッキーやケーキをつくるためのベーキングパウダーや、クッキーの原料としておなじみになっていくそう。
日本でおなじみの「昆布」
日本の食卓では頻繁に目にする昆布も、2023年のトレンドとして予想されている。昆布は海藻のなかでもとくに多くの二酸化炭素を吸収すると言われていて、海外でも養殖が盛んになってきているのだとか。
そんな昆布を使ったチップスや麺類、ブイヨン、ソースなどが次なるトレンドとして注目を集めている。
ちょっぴりエモい「レトロ食品」
ノスタルジックな気分に浸れる昔ながらのお菓子や食品も、今年注目のトレンドにランクイン。Mintel Global Consumerの調査によると、アメリカの消費者の73%が過去を思い起こす味を楽しんでいるそうで、この傾向がより高まっていくそう。
とはいえ懐かしい食品がそのままリバイバルするだけでなく、最新のトレンドとミックスし、健康志向の人でも楽しみやすいひねりを加えた製品が注目を集めていくという。
美味しさが見直されて「デーツ」がリバイバル
ここ最近TikTokなどでもリバイバルしている食品が、ナツメヤシの実である「デーツ」。長年定番のスーパーフードとして親しまれてきたデーツが今再び脚光を浴びているのは、その使い勝手のよさから。
「自然のキャンディー」と呼ばれることもあるデーツは、ドライフルーツとして食べるのはもちろんのこと、ペーストやシロップの形で甘味料としても使いやすい。そのメリットを生かし、さまざまな形の製品が登場している。
高品質かつ健康的な「ペット用フード」
2023年は高品質であり健康的なペットフードやペット用サプリメントもトレンドに。その背景にあるのが、コロナ禍によるペット世帯の増加。アメリカ動物虐待防止協会の調査によると、2,300万を超えるアメリカの世帯がパンデミックの際にペットを飼い始めたそう。
これまで以上にペットの健康に焦点を当てる人が多くなり、ペットの健康をサポートするサプリメントや美味しくて健康的なペットフードが続々と登場しているという。
「アボカドオイル」がヘルシーな油の主流に
アボカド由来の「アボカドオイル」も、今年本格的なトレンドの兆し。アボカドオイルは、オレイン脂肪酸の含有量が高く、さまざまなメリットを持っているため、今後油の中でも主流になっていくことが予想されている。
ホールフーズでは、ノーマルなアボカドオイルだけでなく、アボカドオイルからつくったマヨネーズなどの調味料やアボカドオイルを使ったスナック菓子、さらにアボカドオイルを取り入れた海苔なども登場。
ホールフーズが予想する2023年の食のトレンド。日本で取り入れられる食品も多いのでぜひチェックしてみて。(フロントロウ編集部)