ジェームズ・キャメロン監督が手がける『アバター』待望の続編『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』がついに2022年12月16日より公開。続編の公開まで13年を要した理由が壮大すぎた。(フロントロウ編集部)

『アバター』が続編公開まで13年かかった理由

 2009年に公開され、世界の歴代興行収入で1位を記録して映画界に金字塔を打ち立てたジェームズ・キャメロン監督の超大作『アバター』から13年を経て、待望の続編『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』がいよいよ2022年12月16日に公開を迎えた。

 映画『タイタニック』など数々の名作を手がけてきたキャメロン監督といえば、映画の準備や撮影技法などにとことんこだわる監督として知られており、1作目『アバター』も、元々は1994年に最初の草稿を書いていた作品。15年の年月を経て1作目の公開に漕ぎ着けたわけだが、今回も続編の公開まで13年を要することとなった。

 キャメロン監督は『アバター』の公開後、続編の制作に向けて、まずは海底の調査に着手。北西太平洋のマリアナ海溝の調査に乗り出したキャメロン監督は、世界で最も深い海溝とされる同海溝への単独到達に初めて成功した人物となる。その後は水中でのモーション・キャプチャーを撮影するための技術の開発に着手して、『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』で水中のシーンを撮影するための準備に取り掛かった。

 先日、キャメロン監督は米Colliderとのインタビューで前作から13年が空いたことについて次のように語っている。「あらゆるパフォーマンス・キャプチャーの撮影を行なっていたからです。2017年9月からスタートしたのですが、パフォーマンス・キャプチャーの撮影を1年半行なった後で、ライブ・アクションの撮影を1年以上行なっていたのです」。

『アバター』5作目まで同時進行で制作していた

 撮影におよそ3年を要していたという事実からも、キャメロン監督の続編への気合いの入りようが伝わってくるが、そもそも2017年まで撮影がスタートしなかったのには、調査や撮影技術の開発だけに取り掛かっていたからという理由だけではない。

画像: (C) 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.
(C) 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

 オフィシャルリリースによれば、キャメロン監督は『アバター』の公開後、プロデューサーであるジョン・ランドーらと共に『アバター』の舞台であるパンドラの未来について構想を練り、1,500ページ以上に及ぶメモとストーリー案を手にすることになったという。最終的にそれらの案は4つの続編映画のアイディアに集約されることとなったのだが、キャメロン監督はこれら4本すべての映画の脚本を完成させるまで、『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』の撮影には着手しないと決めていたそう。

 「すべてのストーリーを緻密に計画した上で、複数の映画に渡って演者たちのキャプチャリング撮影をし、次に実写の撮影をすることで、経済的なメリットを得たいと考えたのです。つまり、パフォーマンス・キャプチャー撮影と実写撮影とポストプロダクションという製作の異なる各段階を統合させてしまうという発想です」とキャメロン監督はオフィシャルリリースで述べている。

 つまり、撮影開始までにも時間を要したのは、5作目までの構想を同時進行で進めていたからこそ。13年を要した背景には、キャメロン監督らクリエイター陣の膨大すぎる作業量があった。通常であれば、世界的に大ヒットした作品の続編となれば配給側としてはすぐにでも公開したいものだろうが、徹底的にクオリティを追求し、あらゆる作品を興行的にも成功に導いてきたキャメロン監督だからこそ、13年という空白期間を許されたのだろう。『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』は2022年12月16日より全国劇場にて公開中。(フロントロウ編集部)

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