MeToo運動を起こした女性たちの闘いを描く映画『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』で、ハーヴェイ・ワインスタインからの加害を告発した俳優のアシュレイ・ジャッドが本人役で出演。(フロントロウ編集部)

アシュレイ・ジャッドが本物の葛藤と決心を熱演

 社会全体の性犯罪に対する価値観を、大きく正しい方向へ動かした「MeToo運動」。そのきかっけとなったのは、ハリウッドの伝説的映画プロデューサーであるハーヴェイ・ワインスタインによる数十年にわたる性暴力を報じたニューヨーク・タイムズ紙の告発記事。その記事のために取材を続けたジャーナリストと、声をあげた被害女性たちの闘いの記録を丁寧に描いた映画『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』が、1月13日に全国公開される。

画像: ©Universal Studios. All Rights Reserved.

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 本作で克明に描かれたのは、想像を絶する人数がその苦しみを明かせずにいた背景には、映画業界での絶対的な権力を盾にした秘密保持契約や示談交渉という悪質な手口が横行していたということ。そして、権力が彼女たちを押し込めるなかで、不正に立ち向かって調査を続けたジャーナリストたちと、彼女たちの熱意を信じて実体験を公表することを決心した勇敢なサバイバーたちの姿。

 本作には、当時もっとも早い段階で自分の経験を公表した俳優アシュレイ・ジャッドが本人役で出演している。彼女は報道から20年ほど前に、オーディション中にワインスタインから受けた性的要求を拒否。それが原因で俳優としてのキャリアを阻害されたと告発し、提訴した。彼女の告発によって、『ロード・オブ・ザ・リング』のピーター・ジャクソン監督が、ワインスタイン側から彼女の起用を避けるよう圧力を受けていたことを明かしている。

 マリア・シュラーダー監督は、実際にサバイバーである彼女が劇中に登場してくれたことについて、「これは実話であり、劇中の登場人物は全員、実在の人物。だからアシュレイ・ジャッドを本人以外が演じるのはおかしなことでした。アシュレイが本作に出演するのは特殊かつ素晴らしいことであり、彼女の内なる静けさや潔さにとても驚きました。アシュレイは自分の身に起こったことを明らかに乗り越えていました」と、感謝の思いを語った。

画像: アシュレイ・ジャッドが本物の葛藤と決心を熱演

 2人の女性ジャーナリストが行なった調査報道は、ジャーナリズムの権威“ピューリッツァー賞”の中でも最高峰とされるジャーナリズム部門の「公益賞」を受賞するに至り、映画もゴールデン・グローブ賞、サテライト賞、ブロードキャスト映画批評家協会賞など、多数のアワードでノミネートされている。女性映画批評家協会賞では、作品賞を受賞した。

 女性たちを何十年と苦しめた性暴力、それを温存した社会。そして、ついに社会を変えた女性たち。彼女たちがそれぞれの立場から力をあわせ、時代を変えていく闘いが描かれる『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』は、1月13日に全国ロードショー。

(フロントロウ編集部)

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