『バフィー 〜恋する十字架〜』のサラ・ミシェル・ゲラーが、当時の撮影環境を明かす。本作はこれまで、キャストたちが製作者のジョス・ウェドンを告発してきた。(フロントロウ編集部)

男性社会の中で女性として生きるということ、サラ・ミシェル・ゲラーが語る

 映画『クルーエル・インテンションズ』や『ラストサマー』で知られるサラ・ミシェル・ゲラーが、俳優として人気が出るきっかけとなったドラマ『バフィー 〜恋する十字架〜』。本作は製作や監督としてジョス・ウェドンが手掛けた作品で、ジョスは態度の悪さから様々な俳優から告発されている。

 きっかけはDCEUの『ジャスティス・リーグ』でサイボーグを演じたレイ・フィッシャーが彼を告発したことで、アクアマン役のジェイソン・モモアもレイを支持。その後ワンダーウーマン役のガル・ガドットもジョスを告発し、そして『バフィー』のカリスマ・カーペンターも彼から受けた精神的暴力や嫌がらせを告発した

 カリスマが告発した時、主演のサラも彼女を支持。当時は2021年のコロナ禍で、彼女は2人の子どを育てていることから、自身の経験について詳細は語らなかったが、「『バフィー』に参加できたことは誇りに思っているけれど、ジョス・ウェドンとは一生仕事をしたくない。今は家族を育て、パンデミックを乗り越えるために集中しているから、今の時点ではこれ以上のコメントは出さない。でも、虐待のサバイバーとともにいるし、その人たちが声をあげていることを誇りに思う」とコメントした。

画像: 1999年のサラ(左)とカリスマ(右)。

1999年のサラ(左)とカリスマ(右)。

 そして、サラが2022年12月に開かれたPower of Women Summitに参加。『バフィー』で女性たちが置かれていた状況について、沈黙を破った。

 「極度な有害さを持つ、男性が中心のセットに私は長いこと身をおいていました。そのため、すべてのセットはそのようなものであり、女性たちは対立させられるものだと思っていました。もし女性同士が友達になったならパワフルすぎるので、それを押さえつけなければいけなかったんでしょう。現在では、前よりももっともっと多くの女性、そして女性をサポートしてくれる男性と一緒に働く機会を得られて、(撮影現場での)経験がどれだけ簡単なものになりうるのかに気がつきました。しかし…、残念なことに、私たちはまだ、すべての場所で多くの時に、女性たちが声を持つには女性たちが必要だという段階にいます」

 “女の敵は女”と言う人がいるが、そうなるように仕掛けているのは誰なのか。サラの経験からは、それを考えずにはいられない。そしてその中で、お互いを助け合っていた『バフィー』のキャストたちを思うと、“女の味方は女”であることは非常に多い。

 カリスマがジョスを告発した時、『バフィー』の共演者であるミシェル・トラクテンバーグは「私たちは彼が何をしたか知っている。撮影。の。裏側で」と赤字で綴り、アンバー・ベンソンは「あの頃に多くの傷をつけられ、私たちの多くは、20数年が経った今でも苦しんでいる」と明かしたことから、かなり酷い環境だったと思われる。

 サラは9月に米ニューヨークタイムズのインタビューで、「人々が自分たちの物語を話す姿を見て、非常に感銘を受けています。しかし、人々が引き裂かれ、非難され、辱められるこの世界で、私は自分の物語を心に留めておきます」と話しており、その言葉には胸が苦しくなる。それでも少しずつ進み続ける彼女こそ、誰かに感銘を与えているだろう。

(フロントロウ編集部)

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