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ヘンリー王子の回顧録『Spare』に書かれた内容について、いくつかの“間違い”を指摘されていることを受けてゴーストライターが釈明した。(フロントロウ編集部)

ヘンリー王子の回顧録『Spare』にいくつかの“間違い”が見つかる

 イギリス王室のチャールズ国王の次男で、2020年3月末をもって高位王族の座を退いたヘンリー王子が回顧録『Spare(原題)』を出版した。タイトルの『Spare』(意味:予備、代わり)は、は古くから君主とその兄弟が「継承者とそのスペア」と表現されてきたことに因んでつけられたもので、ヘンリー王子の口述をもとに、ゴーストライターのJ・R・モーリンガー氏が代筆した。

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 個人的な話だけでなく、家族や王室を非難するような記述も多く含まれていることから何かと物議をかもしている『Spare』だが、それだけでなく、内容に関していくつかの“間違い”を指摘されている。

 たとえば、2002年3月にエリザベス女王の母でクイーン・マザーの名で知られたエリザベス皇太后が亡くなったときのことを振り返った箇所で、ヘンリー王子は訃報を聞いたとき「寄宿学校にいた」と言っていたが、当時の報道では、父チャールズ国王と兄ウィリアム皇太子とスイスでスキー旅行中だったとされている。

 また、ヘンリー王子は大手ディスカウントショップのTK Maxxがお気に入りで、「とくに年に一度のセールが好きだった」という話については、TK Maxxが王子が言うようなセールは行なっていないと否定している。それ以外にも、ヘンリー6世が「ひい ひい ひい ひい ひい ひい ひいおじいさん」であるという不正確な情報(ヘンリー6世の1人息子は17歳で亡くなっており、直系の子孫はいない)や、母ダイアナ元妃の死後に家庭用ゲーム機のXboxをプレゼントされた(しかし、当時まだ発売されていなかった)話など、首をかしげるようなエピソードが。  

 なお、間違いを指摘されたモーリンガー氏は、メアリー・カー氏の著書『The Art of Memoir(原題)』から引用した「記憶と事実、解釈と事実の境界線は曖昧です。そういううっかりミスは、いくらでもあるのです」という言葉をツイッターに投稿して釈明。

 さらに、『Spare』から抜粋した「根拠はどうであれ、私の記憶は私の記憶であり、自分の思うように集められ、整理されています。いわゆる客観的な事実と同じように、自分の記憶や記憶のしかたにも真実があるのです。年表や因果関係といったものは、私たちが過去について語る寓話に過ぎないことが多いのです」、「Xboxでした。嬉しかったです。テレビゲームが好きでしたから。とにかくそういう話です。私の人生の多くの記述に福音として登場しています。それが真実かどうかはわかりません。パパがママは頭を負傷したと言っていましたが、もしかしたら私の方が脳に障害があるんじゃないでしょうか?防衛本能なのか、私の記憶力は、かつてのように記録することができなくなっていました」というヘンリー王子の言葉を用いて遠回しに反論した。

(フロントロウ編集部)

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