ヘンリー王子が甥っ子&姪っ子の今度を心配
回顧録『Spare(原題)』を出版したイギリス王室のヘンリー王子が、兄ウィリアム皇太子とキャサリン妃の子どもたちに対して抱いている心配事について英The Telegraphのインタビューで話した。
本のタイトルである『Spare(スペア)』は、「予備」「代わり」という意味で、古くから君主とその兄弟が「継承者とそのスペア」と表現されてきたことに由来する。継承者と違って「スペア」には自由がある一方、長子のように明確な役割がない複雑な存在でもある。そして、長子に子どもが生まれたら、その重要性と影響力は継承順位とともに低下していく。実際、ウィリアム皇太子と妻のキャサリン妃のあいだに3人の子どもが生まれたことで、かつて3位だったヘンリー王子の王位継承順位は5位に下がった。
ウィリアム皇太子夫妻には、長男のジョージ王子、長女のシャーロット王女、次男のルイ王子という3人の子どもがいるが、ヘンリー王子の言葉を借りるならば、ジョージ王子は“継承者”で、シャーロット王女とルイ王子は“スペア”をいうことになる。
自分がスペアの立場に苦しんだように、ウィリアム皇太子の子どもたちの誰かがそのことに苦しむことを懸念しているというヘンリー王子は、「そのことについてウィリアムと1、2度話をしたことがあります」と言うと、「ウィリアムは彼の子どもたちのことは私の責任ではないと、私にはっきりと言いましたが、3人の子どものうち、少なくともひとりは私のような“スペア”になるのではと思うと、今も責任を感じます。それを思うと心が痛みますし、心配になります」と続けた。
ちなみに、“継承者”と“スペア”というレッテルが、兄であるウィリアム皇太子との関係に悪影響を及ぼしたと考えるヘンリー王子は、『Spare』のなかで、「私は影であり、支えであり、プランBでした。ウィリアムに何かあったときのために、私はこの世に生を受けたのです。私は援護と気晴らし、陽動のために召集されました。このことは人生という名の旅の始まりから、すべて明確にされていたのです」と切ない胸の内を綴っている。(フロントロウ編集部)