男手ひとつでマックスを育てたグーフィー
1932年に『ミッキー一座』でデビューしたグーフィーは、その後、ミッキー・マウスやミニー・マウスの気立てが良くてのんびり屋な友人として多くのディズニーアニメに登場したほか、自身主演の作品が50以上も作られてきたディズニーの人気キャラクター。
そんなグーフィーが、シングルファーザーであることを知っているだろうか?
グーフィーの子どもが初登場したのは1950年代。グーフィーは当時制作された短編作品のなかで「ミスター・ギーフ」と呼ばれた「ジョージ・G・ギーフ」として登場し、ミスター・ギーフには妻の「ミセス・ギーフ」と息子の「グーフィー・ジュニア」がいた。
そしてグーフィー・ジュニアは、1990年代に全米放送されたアニメ番組『パパはグーフィー』では「マックス」という名前のキャラクターに生まれ変わり、マックスの母親は不在という扱いに。ディズニーの公式ファンクラブD23には、同番組でのグーフィーについて「郊外で息子を育てるために奮闘するひとり親の家庭人」と記されている。
『パパはグーフィー』でのマックスは“父親みたいにはなりたくない”という思春期まっさかりな少年で、グーフィーとの間に誤解が生まれてはさまざまなアクシデントが起こる。グーフィーの子育ては大変なのだ。
それでも愛情たっぷりにマックスを育てたグーフィーは、最終的にはマックスを大学へと送り届ける。ただ、マックスが親元を巣立ったことがショックすぎて集中力を欠いていたグーフィーは、職場でミスをして失業する。職業安定所で“大学の学位がないと就職は厳しい”と言われたグーフィーは、家計のために一念発起して大学進学を決意。その様子は2000年の映画『史上最強のグーフィー・ムービー Xゲームで大パニック!』で描かれる。
男手ひとつで息子を育てあげ、息子愛が激しすぎて失業し、それをきっかけに大学進学を決意して学位取得したグーフィー。父親としての努力も称賛されるべきだが、何歳になっても諦めずに新しいことに挑戦する彼は父親の姿として尊敬に値するだろう。