俳優になる前には大工を目指していたり、広告営業の仕事をしていたりした『NCIS ~ネイビー犯罪捜査班』のマーク・ハーモン。そんな彼が語った仕事への思いとは?(フロントロウ編集部)

様々な仕事を経験してきたマーク・ハーモン

 2003年から放送されている大長寿アメリカドラマの『NCIS ~ネイビー犯罪捜査班』だが、シーズン1からの主人公だったリロイ・ジェスロ・ギブス役のマーク・ハーモンは、2021年に放送されたシーズン19の第4話をもって降板。残念とはいえ、70歳となる彼の判断には多くのファンが理解を示した。

 そんな彼は、70年代後半から俳優として活動を始め、これまでにエミー賞やゴールデン・グローブ賞にもノミネートされている。しかしじつは、青年時代には他になりたい職業があったそう。米Men's Journalでマークが明かした。

 「大工になりたかったんです。なろうとしたけど、ただただ雇われなくて。朝起きてそれをすることが楽しかった。車を運転して仕事に行くのが楽しかった。素材や、正しく行なうことがですね。もし正しくやれば、それは長持ちする。(大工仕事は)今でも楽しんでいますよ。もし演技をしていなかったら、それをしていたでしょうね」

画像: 様々な仕事を経験してきたマーク・ハーモン

 なんと彼が大工になるのを諦めたのは、仕事に採用されなかったから! 71歳となった今でもそんな思いがあるとは、少しの後悔があるのかもしれない。さらに彼はその後すぐに俳優になったわけではなく、広告業界に入った。最初の会社で4年働き、その後靴の企業の広告営業として7ヵ月働いたのだそう。

 その経歴だけ聞くと、彼は演技にまったく興味がなかったように見えるが、心の底に情熱はあった。ある時の出張帰りに、隣の席に座った33歳の人物が、65歳で年金をもらえるように頑張っていると話すのを聞いていたそう。仕事が嫌いなのに、残り32年をその仕事に捧げようとしている人物を見たことが彼の転機になったそうで、「家に帰り、車に乗って、仕事場から出て行って、辞めた」という。

 そんな彼が、キャリアの初めに知っておきたかったこと。それは、多くの社会人へのアドバイスでもあった。

 「私はスポーツをしていたので、試合をして、結果を残すために努力するというのが私のルーツにあります。そこで起こるのが、自分が考えていることや、していることを周囲に知らせないということ。(試合における)追いかけあいの初めには、すべてをコントロールするためにとても努力するでしょう。しかし俳優としては、何もコントロールできません。距離を取り、それに集中しすぎないということ、それが時には重要なんです。隣にいる人より多くのボールを投げ、タイヤの穴に通そうとするよりも、そっちのほうが良い戦略だったりするんですよ」

(フロントロウ編集部)

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