アメリカで小学校5年生の女子バスケチームが男子リーグで優勝! しかしルールによってトロフィーは男子チームに渡され、一波乱となった。(フロントロウ編集部)

女子チームが男子リーグで優勝もトロフィーもらえず

 アメリカのアラバマ州にあるフーバーという町で、小学校5年生のメンバーからなる女子バスケットボールチームLady Jagsは日々バスケットボールを楽しんでいた。そんななか、街の公立施設である体育館を使い続けるためにはフーバー・レクリエーション・リーグにお金を払い、試合に参加しないといけないと指示されたという。そして相手は男子チーム。

 男子チームと競うことはチームにとってチャレンジだったが、その目標は彼女たちを強くした。そしてなんと、Lady Jagsはリーグで優勝!

 しかしここで、保護者や、子どもの成長を見守る大人たちが疑問に思う出来事が発生。チームは優勝したにもかかわらず、トロフィーをもらえず、それは男子チームのものになったのだ。保護者の1人はフェイスブックに、「もちろんこれ(リーグ優勝)はトロフィーについての話ではありませんが、この出来事は、今日の少年少女に教えるべきことではないと思います」と綴った。また、その保護者は、「何よりも、5年生の少女たちにバスケットボールをすることを許さないこの町に失望しました」と言っており、ことの始まりである、リーグに参加しなければ公共施設を使えないという状況に苦言を呈した。

画像: ※写真はイメージです。

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なぜ少女たちはトロフィーをもらえなかったのか?

 保護者のフェイスブック投稿が拡散されたことで、一連の出来事はニュースに。少女たちの性別が理由でトロフィーをもらえなかったと誤解した人も多かったが、理由はリーグのルールにあった。

 米CBSによると、この少女たちは選ばれた選手たちからなる“エリート”チームで、彼女たちが対決した男子チームが所属するのは“レギュラー”リーグだそう。フーバー町は、「若いアスリートたちの公平な競争を保証するために、各“エリート”チームは学年でなくレベルによって競うことに合意している」そうで、市の管理者であるアラン・ライス氏は、各“エリート”チームは「より多くの試合や練習の機会を得るために」レクリエーション・リーグのトーナメントに参加していると説明した。

 また、過去には1つのエリート男子チームで、リーグ優勝をしたがトロフィーは得られなかったチームがいるという。

 さらに、Lady Jagsのコーチは優勝してもトロフィーをもらえないことを知っていたそうで、「私たちのチームは、トーナメントの前にフーバー・レクリエーション・リーグのルールを知っていました。しかしそれでも、男子トーナメントで競うことを選んだのです」とコメント。一方で、ほとんどの保護者はそれを知らなかったため、誤解が広がることとなったよう。

フーバー市が女子チームを表彰

 仕方ないと納得できるルールがあったが、出来事が話題になったことで、市はLady Jagsのメンバーたちを市庁舎に招待してトロフィーと記念のコインを贈呈。

画像: フーバー市が女子チームを表彰

 保護者たちも感謝したうえで、ことの発端となった施設へのアクセスなどを考慮し、「この出来事が女性アスリートのためのより多く、より良い機会や施設へのアクセスに繋がる第一歩になることを願っています」とした。

 ちなみに、ライス氏は米Insiderに、今後はエリートチームがレギュラーチームと競うことがないように調整される可能性が高いとしており、今回のような出来事はもう起こらなくなると見られる。トロフィーは手にしなかったが、少女たちのプレイが問題提起につながり、制度の変化にも貢献することとなった。

(フロントロウ編集部)

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