GlüxkindのAI搭載ベビーカー「Ella」の機能性
バンクーバーに拠点を置くテック系スタートアップのGlüxkind(グルックスキンド)が開発したElla(エラ)は、多様な親支援テクノロジーを搭載したAIベビーカー。
プッシュ&ブレーキ アシスト
進む・止まるという行為をAIがサポートしてくれる機能。重たい食材を詰んだ時の坂道でもスイスイと登れ、下り坂では急なストップにも対応してくれて、地形に関係なく楽に移動できる。
ハンズフリー・ストローリング
子どもがベビーカーに乗っていないときは、ハンズフリー・ストローリング機能を起動することが可能。子どもを抱っこするときは抱っこすることに、子どもが歩いているときは歩いている子どもに集中することができる、画期的な機能。
ロック・マイ・ベビー(ゆりかご)
ベビーカーが自動で前後運動をする、ゆりかごのような機能を果たすモード。子どもの眠りを支援するホワイトノイズ再生機能も搭載されており、子どもが寝ている間にカフェで読書やお喋りを楽しみたいとき、Ellaがベビーシッターのような存在になってくれる。
360度安全バブル
ベビーカーの周囲360度の監視機能つき。車や自転車、スクーターなど、潜在的な危険が近づいたときにそれを知らせてくれる。
ほかにも、汗だくの闘いになることもあるクリップが安全性の高いマグネットになっていたり、バシネットに傾斜機能がついていたりと、親の負担を減らせる機能が多くついている。
ブランド名の由来はドイツ語、“あったらいいな”で誕生した製品
多くのスタートアップがそうであるように、Glüxkind(グルックスキンド)は、創業者のAnne Hunger(アン・ハンガー)とKevin Huang(ケヴィン・フアン)が2020年に長女を迎えるにあたり、個人的に経験した問題への対応として誕生した。
ベビーカーを探していた夫妻は、ベビーギア市場の調査を行なうなかで、Ellaのような商品へのニーズがあることに気づいたという。「これだけ多くのテクノロジーやスマートな製品がある中で、親はまだ従来の選択肢、つまり重くて操作しにくく、実生活の課題に対応した設計になっていないベビーカーしか与えられていないなんて。それは、(2人にとって)受け入れ難しいことでした」と、Glüxkindは明かす。
そこでバンクーバーのガレージからGlüxkindがスタート。ブランド名であるGlüxkind(グルックスキンド)は、ドイツ語で幸運な子供や幸運な人を意味するGlückskindに由来している。常に運を味方につけている人のことを表しているそうで、新しい親が製品を使い、オンライン・コミュニティに参加したときに、まさにそのような気持ちになってほしいという願いが込められているという。
GlüxkindのCPO兼共同設立者であるAnne Hungerは、Ellaへの思いをこう語る。「親である私たちの目的は、最も革新的な製品を作ることではなく、家族が良い思い出を作れるようにすることです。負担を軽くすることが目的なんです」。
CESイノベーションアワードを受賞!
スタートアップとして誕生してから2年後、Glüxkindは夫妻のビジョンを実現することを使命とする専門家が集まった国際的なチームへと成長し、2023年には世界最大のテクノロジー見本市「CES」で製品をお披露目。ここで、栄誉ある2023 CESイノベーション・アワードを獲得した。
GlüxkindはCES イノベーション・アワード受賞にあたり、こうコメントした。「GlüxkindのEllaは、まずは子育ての重要な道具であるベビーカーから、子育てをより簡単にすることを目指します。Glüxkindは、安全で便利でシームレスな製品によって、家族にパワーを与えることができると信じています。私たちは、親が子育ての旅路で自分の道を模索し、創造し、最高の親になることを後押ししたいと考えています。CESイノベーション・アワードに選ばれたことは、私たちが正しい道を歩んでいることをさらに証明するものです」。
Ellaの気になる価格は?
Ellaのお値段は3,300ドル(約44万円)。
Glüxkindの公式サイトでは「Founder Edition(創設者エディション)」の予約注文が始まっており、こちらは、Ellaへの早期アクセスや3年間のサポートなどがついて、3,800ドル(約50万円)となっている。今の時点(記事執筆時点)で予約した場合は、2023年7月頃に納品される予定だという。
(フロントロウ編集部)