セックスシーンはタランティーノ作品に必要ない
「セックスは、私の映画観の一部ではありません」。クエンティン・タランティーノ監督は、スペインのカタルーニャ語新聞Diari ARAのインタビューでこう語った。
自身の映画作品の中でセックスを描写することに興味がないと言う通り、『ジャッキー・ブラウン』でのロバート・デ・ニーロとブリジット・フォンダの親密な場面を例外に、タランティーノ作品でセックスシーンが出てくることはない。
監督は、「本当のことを言うと、セックスシーンの撮影というのは、みんなキリキリしていて面倒なんだよ」とし、「そもそもが扱いにくい場面なのに、最近ではもっと面倒なんだ。もし、ストーリーの中でセックスシーンが不可欠であったなら取り入れていただろうけど、今のところ必要だったことはないんだ」と、同インタビューで明かした。
映像界では、不必要なセックスシーンが俳優たちの人権を侵害していることが長年の問題になってきた。
セックスシーンが多いことで知られるドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』のキャストたちからは、不必要な濡れ場に対する不満が出るなど、MeToo運動以降は俳優が声をあげることが増えているが、ハリウッドを代表する監督の「今のところ必要だったことはない」という言葉からは、どれだけ多くの不必要なセックスシーンが映画やドラマに取り入れられているかを改めて痛感させる。
(フロントロウ編集部)