映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』で、マリオとルイージの家族が初めて登場したことも驚きだったが、実はそれが任天堂の”お宝”とも言える幻の古いスケッチがもとになって作られたキャラクターだったことが明らかになった。

マリオの家族が本作で“初登場”したワケ

 映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』で、マリオとルイージの父親、母親、叔父、叔母、姪っ子、おじいさんの一同が揃って、大家族でにぎやかに食事をするシーンが挿入されている。マリオの家族が公式に登場するのは今回が初となり、ファンの間で大きな話題になっている。

 今作の監督のアーロン・ホーヴァスは、「マリオの家族が登場するディナーシーンは、映画のストーリー展開に欠かせなかった」とPolygonに語っている。これまでゲームの中ではプライベートが明かされることがなく、謎が多い存在でもあったマリオとルイージだったが、今回劇中で人間味あふれる家族像を描くことで、リアリティのあるキャラクターとして仕上がっている。

 オリジナルのコンテンツを映画化するにあたって、原作から離れた独自の設定が作られてしまい、ファンから不評を買うというのはよくあることだが、ホーヴァス監督は「マリオが、現実の生活や問題を抱えた実在の人物であると信じてもらうためには、少し工夫が必要だったのです。だから彼ら(任天堂)は、マリオにこの家族を作ることに全面的に賛同してくれたんです」と、今回の新しいキャラクターの登場は、任天堂と足並みをそろえた挑戦だったと明らかにした。

任天堂が長年温めていた”幻のスケッチ”

 ホーヴァス監督は今回のマリオの父と母の外見について、「任天堂サイドで何年も前に描かれたが、今まで封印されていた貴重なスケッチをみせてもらうことができた。今回の映画に登場したマリオのお父さんは、そのデザインをほぼそのまま再現したものです」と、任天堂から「秘蔵キャラ」を使う許可を得ていたことが明かされた。他の家族については、マリオの母も少し改変はしたものの、「オリジナルのデザインに非常に近い」仕上がりになったという。

 見方を変えると、任天堂が今まで描く機会を失っていた「幻のキャラクター」がこの映画で映像化されていると言える。今回の映画がオリジナルのゲームシリーズの古参ファンからも非常に高い評価を得るような、納得できるクオリティに仕上がっている秘密がまたひとつ明らかになった。(フロントロウ編集部)

This article is a sponsored article by
''.