メリル・ストリープが2作品に入れ込んだリンクとは?
公開から約17年が経った今もなお根強い人気を誇る映画『プラダを着た悪魔』。メリル・ストリープ演じるファッション雑誌の鬼編集長ミランダのもとに、アン・ハサウェイ演じる新人アシスタントの主人公アンディ。ファッション業界で奮闘しながら才能を開花させていく様子を描いた同名小説を映画化した作品。
ファッション業界を舞台にしたストーリーであることから、劇中でキャストが着用しているのは豪華なハイブランドのアイテムばかり。ドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』のパトリシア・フィールドが衣装スタイリストを手掛け、劇中次々と披露されるラグジュアリーな衣装は今でも多くの観客の心を惹きつけている。
そんなファッション・フォワードな作品で使用された豪華な衣装や小物は、慈善事業に積極的に参加しているメリルの提案によってチャリティ目的でオークションに出品され、その収益は女性の人権団体や乳がん研究の団体に寄付された。
ただ、ほとんどのアイテムはチャリティに出品されたが、メリルが愛着をもって手元に残したアイテムがあった。それが、ミランダのキャラクターを象徴するようなサングラス。ブランドはヴェルサーチェだという説と、グッチだという説がある。
メリルはこのサングラスが相当お気に入りだったようで、なんと、『プラダを着た悪魔』の2年後に公開されたミュージカル映画『マンマ・ミーア!』でも着用!
ABBAのヒット曲で構成されている本作でドナを演じたメリルは、代表曲の1つ「マネー、マネー、マネー (Money, Money, Money )」のシーンで、チャリティに出品せず大切にしていたサングラスを身に着け、女手ひとつでホテルを切り盛りし「いつかお金持ちになってやる!」と力強く歌い上げている。
ホテルを切り盛りするシングルマザーでありハイファッションとは縁が遠いドナが、ファッション業界の女王として君臨するミランダとまったく同じアイテムでリンクしていたとは。しかもそれが使われたのは、お金について歌うシーン。気づいた人にだけ通じる、ちょっぴり皮肉の効いた演出だった。(フロントロウ編集部)