ホラー映画史上最高傑作ともいわれる『羊たちの沈黙』。元精神科医で冷酷な猟奇殺人犯・レクター博士が身に着けている白色の衣装の元ネタとは?(フロントロウ編集部)

アンソニー・ホプキンスの出演はたったの◯◯分!なのにインパクトが強すぎ

 1991年公開の映画『羊たちの沈黙』はサイコ・スリラーの金字塔的な作品で、ホラー映画史上最高傑作とされている。FBIの新人女性捜査官クラリス・スターリング(ジョディ・フォスター)が、犯罪者として収監されているハンニバル・レクター博士(アンソニー・ホプキンス)の協力を得て、連続猟奇殺人事件の真相に迫る、というトマス・ハリスの同名ベストセラーを映画化した作品。

画像: アンソニー・ホプキンスの出演はたったの◯◯分!なのにインパクトが強すぎ

 第64回アカデミー賞では作品賞の他、監督賞、脚色賞、ジョディ・フォスターの主演女優賞、アンソニー・ホプンキンスの主演男優賞など主要5部門を受賞。その後も、『ハンニバル』(2001年)、『レッド・ドラゴン』(2002年)、『ハンニバル・ライジング』、(2007年)、ドラマ版の『ハンニバル』(2013年)といった続編やスピンオフ作品が制作されている。

 今作で元精神科医の天才殺人鬼を怪演して見せたアンソニー・ホプキンス、実は本作の出演時間がたったの約12分だけだったというから驚き。

レクター博士の白色ルックは、歯医者?スピリチュアル?

 アメリカの刑務所では通常、脱走を困難にするために目立つ色の囚人服が採用されており、劇中でもレクター博士は精神病院から移送された収監される際に、当初は黄色かオレンジのジャンプスーツ着ることになっていたが、アンソニーの意向でホワイトに決まったという。

画像1: レクター博士の白色ルックは、歯医者?スピリチュアル?

 その元ネタとしては、もともと歯医者に対して強く恐怖を感じていたアンソニーが、“白衣のように真っ白な服を着ている人の方が相手を不安にさせる人物に見えるに違いない”と思って、監督のジョナサン・デミと衣装デザイナーのコリーン・アトウッドに提案したと長年言われてきた。

 これは欧米の多くの映画サイトで語り継がれてきたトリビアで、アンソニーだったらやりかねなさそうな面白い逸話だが、じつは衣装デザイナーのコリーンが、2016年に米Huffington Postで別の元ネタを明かしている。

 「彼はハンニバルとしての自分をスピリチュアル(霊的)な存在だと思っていたのです」と、白を選んだ理由を明かしたコリーン。さらに、アンソニーは衣装が自分のボディラインにぴったりとフィットすることにもこだわったそうで、「フィット感をとても精密にこだわっていました。正確さは彼のキャラクターの一部だったので、シンプルなTシャツひとつですら、非常に正確なフィットにしました」とコメント。「すべてが手袋のように彼にフィットしていたのです」と続けた。

画像2: レクター博士の白色ルックは、歯医者?スピリチュアル?

 レクター博士と言えば、今でのフィギュアなどが高値で販売されているアイコニックなキャラクター。ハロウィンでも彼の仮装をする人が多いほど、ビジュアル面でも有名だ。その背景には、アンソニーの役への理解とこだわりがあったことが分かるエピソードだった。(フロントロウ編集部)

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