イギリスの諜報機関GCHQ(政府通信本部)を舞台にしたサイバー・サスペンス
『GCHQ:英国サイバー諜報局』の舞台であるGCHQ(政府通信本部)とは、イギリスの諜報、サイバー、セキュリティ機関。前身は第一次世界大戦後の1919年、ブレッチリー・パークに作られたGCCS(政府暗号学校)で、第二次世界大戦時に天才数学者アラン・チューリングが中心となりドイツ軍の暗号「エニグマ」の解読に成功したことで知られている。今年の5月、104年の歴史上初の女性長官が就任したことが大きなニュースとなった。
『GCHQ:英国サイバー諜報局』の舞台は総選挙を目前に控えた2024年4月。ロンドン大でコンピューターサイエンスを学ぶサーラは、英国のサイバー諜報機関GCHQ、マルウェア*課のインターンの座を勝ち取る。しかし出勤初日に、ロシアがイギリスの2大通信社の1つにサイバー攻撃を仕掛け、英国中のインターネットや通信システムがダウンするという緊急事態が発生。サーラはコードの中に仕掛けられたウイルスを発見するのだが、そこから、サイバー攻撃の犯人はロシアのFSB(連邦保安庁)であることが明らかになっていく…。戦争と同様の攻撃に、非常事態宣言をする英国首相や、デモを起こす群衆など事態が混乱する中、天才サイバー諜報員VS.ロシアのハッカーによる壮絶な戦いが始まる。
【見どころ①】5年のリサーチで作り上げたサイバー戦争のリアリティ!
クリエイターは、ドラマ『ウルフ・ホール』で2016年ゴールデングローブ賞作品賞を受賞し、BAFTA受賞歴は7回を誇る名監督&脚本家ピーター・コズミンスキー。本作は彼が5年の歳月をかけてGCHQ(英政府通信本部)とサイバーテロについて徹底的なリサーチを行い脚本を書き上げられた。
ロシアにより“宣戦布告なしに”突如仕掛けられたサイバー攻撃に翻弄されるGCHQと、総選挙目前に通信障害が発生し混乱を極める英国政府、そしてSNSを駆使して反英プロパガンダ作戦を行ったり、フェイクニュースを拡散するプーチン政権のFSB(連邦保安庁)との攻防。ウクライナ侵攻やボリス・ジョンソン氏の退任など直近に実際に起きた出来事がタイムリーに織り交ぜられ、その描写はリアルでスリル満点。
英国のGCHQ(政府通信本部)、米国のNSQ(国家安全保障局)、ロシアのFSB(ロシア連邦保安庁)のサイバー上の攻防は、血が流れるようなフィジカルな戦いと違い、音もなく姿も見えないだけに、より恐ろしさを感じさせる。優秀なハッカーたちによる攻撃や、SNS上でプロパガンダを流すロシアのインターネット・リサーチ・エージェンシー(略称:IRA、通称:グラヴセット)による“トロール工場”の描写もリアルで、GCHQに勤めていたサイモン・ペッグの叔父も認める的確な描写に、英国民でさえ実態を知らないこの組織を知ることができる。
暗号解読に挑む主人公の頭の中を“コードワールド”というゲームのような別世界で表現し、コードを追っていく様子を斬新な演出で描いており、没入感を味わえる。
【見どころ②】サイモン・ペッグ、マーク・ライランスら人気俳優たちが出演!
注目のキャストには、『ミッション:インポッシブル』シリーズのベンジー役などコミカルな役の多いサイモン・ペッグがGCHQの作戦本部長役で今までにないシリアスな演技を見せるほか、『ブリッジ・オブ・スパイ』でアカデミー助演男優賞を受賞したマーク・ライランスが老練のGCHQ職員に扮し、重厚な演技で魅了する。
【見どころ③】主人公に大型新人女優、ハナー・ハリーク=ブラウンが抜擢!
主人公サーラを演じるのは、新星ハナー・ハリーク=ブラウン。レイフ・ファインズやマシュー・マクファディンの映画デビュー作を手掛け新人発掘に定評のあるピーター・コズミンスキーが抜擢した若手女優。彼女は優秀なインターン、サーラ役を演じるにあたり2ヵ月間でJavaScriptとC++の2つのプログラミング言語を独学し、サイモン・ペッグ、マーク・ライランスらと引けを取らない複雑な主人公を演じきった。
ハナーは8月公開の話題作『バービー』にも出演しており、今後の活躍が期待される。その他、英国初の黒人首相役にエイドリアン・レスター(『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』)、GCHQ長官役にアレックス・ジェニングス(『ザ・クラウン』)、そしてロシア人スパイなど、主要な役どころにはフレッシュな俳優をキャスティングし、国家に翻弄される若者たちの葛藤も瑞々しく描いている。
『GCHQ:英国サイバー諜報局』シーズン2が早くも決定!
革新的な作品で定評のある英Channel 4で2022年6月に放送開始、8月に米Peacockで配信されて以来、続編を待ちわびる声が多数上がっていたが、早くもシーズン2製作決定のニュースが舞い込んできた。クリエイターのコズミンスキーは、続編で回収すべき伏線を最終話に残していることを明かしており、今からシーズン2への期待が高まる。
『GCHQ:英国サイバー諜報局』キャラクター紹介
サーラ・パーヴィン(ハナー・ハリーク=ブラウン)◇吹替:渋谷はるか
ロンドン大でコンピューターサイエンスを学ぶ21歳。GCHQマルウェア課でインターンとして働くことになったが、その初日にサイバー攻撃が発生する。
ダニー・パトリック(サイモン・ペッグ)◇吹替:根本泰彦
GCHQの作戦本部長でサーラが配属されたマルウェア課の上司。現場の良きリーダーで、部下た
ちや長官からも信頼されている。
ジョン・イェーブズリー(マーク・ライランス)◇吹替:多田野曜平
GCHQに務めて50年以上になるベテラン職員。孤立していたサーラの良き相談相手になる。
キャシー・フリーマン(メイジー・リチャードソン=セラーズ)◇吹替:武田華
米国のNSA(国家安全保障局)からGCHQ に派遣された分析官。サーラと親しくなる。
アンドリュー・マキンデ (エイドリアン・レスター)◇吹替:高瀬右光
英国史上初の黒人の保守党の首相。
デヴィッド・ニール (アレックス・ジェニングス)◇吹替:伊原正明
GCHQ長官。先手先手でハッキングを仕掛け てくるロシアの攻撃を予防できず閣僚会議で矢
面に立たされる。
ヴァディーム・トルソフ (ゲルマン・シガール)◇吹替:成家義哉
サーラの大学の同級生。武器商人の父 親を持つ裕福なロシア人。プーチン政権の号令でロシアへの帰国を強いられ、秘密組織グラヴセットで働き始める。
マリーナ・ヴェセロヴァ (ティナティン・ダラキシュヴィリ)◇吹替:大平あひる
ヴァディームがグラヴセットで出会ったジャーナリ スト。幼い娘を持つシングルマザー。
【配信】 Amazon Prime Video チャンネル「スターチャンネルEX -DRAMA & CLASSICS-」
<字幕版>7月3日(月)より独占日本初配信開始 毎週月曜1話ずつ更新
【放送】 BS10 スターチャンネル
<STAR1 字幕版> 8月15日(火)より 毎週火曜23:00ほか
※8月5日(土)14:00より 字幕版 第1話 先行無料放送
<STAR3 吹替版> 8月18日(金)より 毎週金曜22:00ほか
(フロントロウ編集部)