ミミ・ウェッブへのインタビューで分かった12のコト
1. コロナ下にTikTokがきっかけでブレイク
英・カンタベリー出身のミミ・ウェッブがシングル「ビフォア・アイ・ゴー」でデビューした2020年4月は、新型コロナウイルスのパンデミックが世界を覆い始めた時期。新人アーティストがデビューするタイミングとしては最も選びたくない時期だが、1億5,000万人以上のフォロワーを持つ“TikTok女王”ことチャーリー・ダミリオが同曲を自身のアカウントに投稿したことも手伝い、TikTokを中心に火がついた。
ミミはインタビューで当時について、「新型コロナウイルスはとても辛く、怖かったです。でも個人的には、音楽キャリアを形成するのにとても助かったと思います」と振り返る。
「パンデミックが始まったときはまだ音楽活動を始めたばかりだったので、家に閉じこもって、プロデューサーや他のソングライターとのZoom会議を通じて、曲作りに集中することができました。また、TikTokのブームでもあったので、このアプリで自分のプロフィールを作り自分の音楽を宣伝することができましたし、(4thシングルである)『グッド・ウィズアウト』のような成功につながりました」。
2. 音楽の名門校で学んだ努力家
“楽曲を作る上で心がけていることは?”という質問には、「心を開くこと、心の声をさらけ出すことを恐れず発信すること、オーセンティック(本物)であること」と回答してくれたミミ。彼女の楽曲が人々の心を掴むのは、歌詞や歌声に“オーセンティックな感情”が詰め込まれているからこそだが、その根底には、10代の頃に音楽の超名門校ザ・ブリット・スクールで学んだ楽曲制作の“いろは”が反映されている。
13歳の頃から楽曲制作を始めて、アーティストを志すようになったミミは、アデルやエイミー・ワインハウスらを輩出してきたことでも知られるイギリス屈指の名門校へ通うことに決めた理由について、次のように明かす。
「私は幼い頃からアーティストになりたいと考えていました。15歳で音楽学校に通うことは、音楽で生活をしながら生きていくことや、出来る限り曲作りやパフォーマンスについて学ぶための、最も論理的なステップに思えたんです」。
3. 世代を代表する恋愛ソングの書き手
同世代を中心にファンの共感を呼んだ初期の「ビフォア・アイ・ゴー」や「グッド・ウィズアウト」のように、これまでは主に恋愛を楽曲のテーマにしてきたミミ。
彼女は自身の楽曲が人々の共感を呼んでいる理由について、「私はもともと失恋や恋愛のいざこざをいろいろと経験してきたので、これまでそれが作詞の大きなインスピレーションになっていました。同年代の若い人たちも同じように恋愛や失恋を経験していると思うので、このテーマに共感してもらえたのだと思います」と分析する。
2023年に満を持してリリースしたデビューアルバム『アミリア』にも恋愛をテーマにした楽曲が多く収録されているが、そんなミミに“恋人に求める3つの条件”を訊いてみると、「意欲的で情熱的な人。お互いを尊重し、サポートを感じられる人」と返ってきた。
4. デビュー作『アミリア』では自身の二面性を歌っている
デビューアルバムにつけられたタイトルは、“アミリア”という自分の本名。「『アミリア』では、私の物語、つまり2つの人生を持つ少女の物語を語りたかった。ポップスター“ミミ”と、家族と一緒に家にいるのが好きな田舎娘の“アミリア”。そのテーマにふさわしい、私の両面を表現するような曲を選びました」と、ミミは全英アルバムチャートで4位を記録したデビュー作について説明する。
「制作当初はとても怖かったです。完成させられないんじゃないかって」と楽曲制作を振り返ったミミだが、コラボレーターにも恵まれて、最終的には楽しく進めることができたと語った。「でも、制作を始めてみると、『アミリア』のストーリーを伝える素晴らしい楽曲がたくさんあることに気づきました。今回のアルバム制作は、最高な友人やコラボレーターと一緒に仕事をする機会があり、とても楽しくスムーズに進みました」。
5. 憧れのアーティストはアデル
ステージでの圧巻のパフォーマンスから、“ネクスト・アデル”という声も寄せられているミミ。本人もUKを代表するシンガーであるアデルは憧れだそうで、影響を受けたアーティストについて訊くと、こう返ってきた。
「アデルから一番影響を受けていますかね。彼女の音楽には鳥肌が立ちますし、自分も同じような感覚を作り出せるようになりたいといつも思っています。他にはサム・スミス、コールドプレイ、デュア・リパともコラボしてみたいです」。
6. ビリー・アイリッシュの兄フィニアスとも共作
2022年7月には、ジャスティン・ビーバーのノルウェー公演でサポートアクトに抜擢されるなど、先輩アーティストたちからもラブコールを受けているミミ。ビリー・アイリッシュの兄にして共作者で、ジャスティンやカミラ・カベロ、セレーナ・ゴメスらとも楽曲を作ってきたことで知られるフィニアスも、ミミの実力を買っている1人で、『アミリア』に収録された「ラスト・トレイン・トゥー・ロンドン(アイ・ウォント・ルック・バック)」を共作している。
「私はずっとフィニアスを尊敬していましたし、彼がこの曲をプロデュースして彼なりのテイストを加えたいと言ってくれたことは夢のようでした。彼はレジェンドです」と、インタビューでフィニアスとの共作について語ったミミは、この楽曲のインスピレーションについて、次のように教えてくれた。
「私は、ロンドンから2時間ほど離れたところにあるケント州という地域に住んでいて、昔はよく電車でロンドンへ行って、ミーティングやセッションに参加していました。ある時期につらめの失恋を経験して、ロンドンに向かう電車の中でこの曲を書きました」。
7. 一期一会を大切にしている
「出会った人たちのことをよく知りたいといつも思っています。いつまた会えるかもわからないし、そうやって人と関わるともっと楽しいですしね」とインタビューで教えてくれたように、人との出会いや繋がりを大切にしているところも、ミミが多くの人々から愛されている大きな理由の1つ。
ミミのTikTokにはよく、家族や友人たちが登場し、ミミは彼女らに未発表曲を聴かせているのだが、その理由について訊いてみると、繋がりを大切にする彼女らしい答えが返ってきた。「親しい人たちに私の音楽を共有するのがとても楽しいんです。彼らの反応を見るのも好きだし、ファンの人たちにも、私が大切な人たちとどれだけ仲良しなのかを見てもらいたい」。
8. コミュニケーションはセルフケア
今や世界中を飛び回る生活を送っているミミ。インタビューでは、そうした生活を送っているとメンタルヘルス面で「とてもつらい時もあります」と打ち明けてくれたが、そんな彼女にとって、親しい人たちとの交流はセルフケアを助けてくれるものだという。
「メンタルヘルスは私にとってとても大切なことで、一生懸命向き合おうとしています。メリハリをつけることを意識し、自分時間を作ってリラックスして楽しいことをするように心掛けています。地に足をつけること、そして、心地よい環境を作ってくれる家族や幼馴染の近くにいることにも努めています」。
9. 感情的で、打たれ強い、おばかさん
「何事にも一生懸命に取り組むこと、全ての機会を大事にすること」を人生のモットーに挙げるミミ。彼女が周囲の人たちから愛されているのは、あらゆることに全力で向き合う姿勢を持っているからこそだが、本人は自分のキャラクターについて、こう分析する。「感情的で、打たれ強い、おばかさんですね」。
10. 90年代っぽいサングラスがマイブームで、メイクではリップを重視
英Vogueで特集が組まれるなど、次世代のファッションアイコンとしても注目を集めているミミ。今ハマっているアイテムは「サングラス」で、「永遠にお気に入りのアイテム」だそう。特に好きなのは「90年代っぽいサングラス」だという。
ちなみに、ミミがメイクでこだわるのはリップだそうで、「唇を可愛く、大きく見せる為にリップラインを囲むのが大好きです」と、こだわりを教えてくれた。
11. 日本は死ぬほど行きたい国
今ハマっていることについて「愛犬、家族、イギリスの田舎、フィッシュ・アンド・チップス、サンデー・ロースト、旅行」と教えてくれたミミ。旅行好きだという彼女だが、特に日本は行きたい国リストの上位にあるようで、「死ぬほど行きたい場所」だという。
日本食では特に「ラーメンが大好き」だそうで、日本に行くことができたら「日本中を旅して、素晴らしい日本食を食べつくしたいです!」と語ってくれた。
12. 夢はワールドクラスのスーパースター
UKにおける新人アーティストの登竜門として知られる<BBCサウンド・オブ>2022年版で3位に選出されたり、UKで最も名誉な音楽賞であるブリット・アワード2023で新人賞にノミネートされたりと、順調にスターへの階段を登っているミミだが、彼女はさらなる高みを見据えている。“今後どんなアーティストになっていきたいですか?”という質問に、彼女はこう教えてくれた。
「世界的なスーパースターになりたい。世界中を旅して、スタジアムで演奏したり、自分の音楽を披露したりしたいです。多くの人に私の音楽が届き、感動を与えるような曲を書けるようになりたいと思っています」。
最後に、ミミは日本のファンへ次のようにメッセージを送ってくれた。「みんな、こんにちは。ミミ・ウェッブです。ほんとに、日本に行ってみんなと会えるのが待ちきれません。いつもたくさんの愛とサポートをありがとうございます。本当に感謝しています」。
<リリース情報>
デビューアルバム
『Amelia(アミリア)』
配信中
アルバムのストリーミングやダウンロードはコチラ。
- The Other Side |ジ・アザー・サイド
- RedFlags|レッド・フラッグス
- Roles Reversed |ロールズ・リバースド
- House On Fire |ハウス・オン・ファイヤー
- BothOfUs|ボウス・オブ・アス
- Freezing|フリージング
- Last Train To London |ラスト・トレイン・トゥ・ロンドン
- Ghost of You |ゴースト・オブ・ユー
- IsItPossible|イズ・イット・ポッシブル
- Remind You |リマインド・ユー
- See You Soon |シー・ユー・スーン
- Amelia |アミリア
- Last Train to London (I Won't Look Back)| ラスト・トレイン・トゥー・ロンドン(アイ・ウォント・ルック・バック)
Photo:ゲッティイメージズ,Instagram
(フロントロウ編集部)