ジェームズ・キャメロン監督が潜水艇事故の映画化の噂に言及
1912年に起こった豪華客船タイタニック号の沈没事故をもとにした映画『タイタニック』でメガホンをとったジェームズ・キャメロン監督が、今年6月、海底に沈むタイタニック号の探索ツアー中に爆縮した潜水艇タイタンを題材にした映画の制作に向けて交渉中という噂にコメントした。
先日、英The Sunが、ある動画ストリーミング企業が事故で亡くなったタイタンの乗員5人についての物語を伝える映画を作ることをキャメロン監督に打診したと報じた直後、監督は自身のツイッターを通じて、「普段はメディアが流す不快な噂には反応しませんが、今回は反応する必要があると感じました。私はオーシャンゲート(※タイタンの運行会社)の映画の話はしていませんし、これからもするつもりはありません」とすぐさまその噂を否定。映画化する意志がないことを明確にした。
ちなみに、フロントロウでお伝えしたが、タイタンの乗客の1人で、タイタニック号探査の専門家として知られるフランス人探検家のポール=アンリ・ナルジョレ氏は、キャメロン監督の友人でもあった。
自身も過去に33回にわたって海底に潜り、タイタニック号の調査を行なったキャメロン監督は、事故後、米ABC Newsの取材に応じ、以前からダイビング業界はタイタンの安全性に「深い懸念」を抱いていたとして、「(タイタニック号の事故は)船長が船の前方に氷山があることを何度も警告されていたにもかかわらず、月の出ていない夜に全速力で氷原に突っ込み、その結果多くの人が亡くなりました。警告が聞き入れられなかったという点で、タイタニック号と非常によく似た悲劇です」と憤ると同時に、「PH(ポール=アンリ)は私の友人でした。とても小さなコミュニティですから。彼とは25年来の付き合いですが、彼がこのようなかたちで悲劇的な死を遂げたことを受け入れるのは、私にとって不可能に近いことです」と友人の死を惜しんだ。