『赤と白とロイヤルブルー』とは
『赤と白とロイヤルブルー(原題:Red, White & Royal Blue)』は、ケイシー・マクイストンによるニューヨーク・タイムズ紙のベストセラー小説を映画化した、米国大統領の息子と英国の王子が織りなすロマンティック・コメディ。
主人公は、アメリカ初の女性大統領(ユマ・サーマン)の息子であるアレックス・クレアモント=ディアス(テイラー・ザハール・ペレス)とイギリスのヘンリー王子(ニコラス・ガリツィン)。圧倒的な美貌、誰もが認めるカリスマ性、国際的な人気...そして、互いに軽蔑しあっているという共通点を持つ2人。海を隔てていることから、これまで長年の確執が問題になることはなかったが、ある王室行事での2人の酷い口論がタブロイド紙のネタにされてしまい、最悪のタイミングで米英関係に亀裂を入れることとなる。
どうにか事態を修復しようと画策する2人の家族と責任者は、ライバル同士の2人を強制的に「休戦」に持ち込む。しかし、アレックスとヘンリーの険悪な関係が解け始め、思いがけない友情が芽生え始めると、2人の間にあった軋轢が、予想以上に深い何かを呼び起こす。
ブロードウェイ劇『インヘリタンス』でトニー賞を受賞した劇作家マシュー・ロペスの長編映画脚本・監督デビュー作。
テイラー・ザハール・ペレス&ニコラス・ガリツィンの公式インタビュー
イギリスのヘンリー王子を演じるのは、Amazon Original Movie『シンデレラ』でも王子役を演じた、今年29歳になるイギリス人俳優ニコラス・ガリツィン。アメリカ大統領の息子アレックス役を演じるのは、『キスから始まるものがたり』でブレイクした、今年32歳になるアメリカ人俳優のテイラー・ザハール・ペレス。
―原作とストーリーについて
ニコラス(ヘンリー王子):本については知りませんでした。この本が持つファンダム(※熱狂的なファンたち)には、良い意味で驚かされましたね。LGBTQIA+コミュニティ内だけでなく、幅広い層で支持されているのですから。脚本に関しては、とても興味深いキャラクターだという印象を受けました。私が好んで演じる人物の特徴をよく備えたキャラクターで、強さを装いながら、内面は非常に傷つきやすく、非常に感情的な人物です。この映画の脚本には、古典的なロマコメの特徴であるポップさがたくさんあった。テンポがよく、ユーモアのセンスもあった。そして私はマシューと彼の劇作家としての仕事を知っていたので、それらすべてがひとつになって、エキサイティングなプロジェクトに参加できる機会のように思えたのです。
テイラー(アレックス):オーディションを受けるまで、『赤と白とロイヤルブルー』については知りませんでした。ある人から電話がかかってきて、ハリウッドで企画が進行中で、君ならこの役にぴったりだと思う、と言われたのです。それでKindleで本を買って、週末に読んだのですが、本当に素晴らしかった。登場人物たちと一緒に感情的な旅をしている自分に気づいたのです。読み終わる頃には、この映画にぜひ参加したいと強く思っていました。そして脚本を手にした。作品を映像化するときは原作を朗読しているわけではないので、新たなアート作品として確立するためにも大なり小なり変更が加わります。そんななかマシューは、脚本で本の核心を見事に表現したと思っています。何人かの登場人物は映画には出てきませんが、心と愛はそこにある。マシューは、登場人物を、とくにアレックスの少年から大人への旅を見事に描き出したと思います。
―ロマコメ映画としての作風について
ニコラス(ヘンリー王子):今は、より多くのクィアストーリーが語られる時代です。『ハートストッパー』や『ヤング・ロイヤルズ』は大成功を収めました。この本のファンの多くが、これらの番組のファンでもあるのです。我々は今回、映画という形で同じ道を歩んでいます。この作品は現代的なロマンスであり、シチュエーションは一般の人たちとは少し違うかもしれない。でも、彼らのシチュエーションはとても共感できるものだと思います。クィアラブストーリーそのものを超えて、これは境遇や生い立ち、責任に囚われた2人の物語であり、それがいかに愛の邪魔をするかということなのです。それはとても普遍的な感情でもあると思います。だから、モダンで新しく、そして伝統的でもあるのです。
テイラー(アレックス):マシューは素晴らしい仕事をしたと思います。結局のところ、物語の中心にあるのはハートです。登場人物のセクシュアリティは関係なく、彼らの旅が重要なんです。冒頭から、この2人のキャラクターには好きにはなれないところがあるかもしれないが、観客は2人に恋をし、2人は互いに惹かれ合い、他のことはすべて忘れてしまう。観客はこの2人と彼らを取り巻く人々に感情移入する。彼らのハッピーエンドを心から応援したくなる。この映画を観たときに、何度も歓声が上がり、終始笑いが起こっていたとある人が教えてくれました。彼いわく、いつもは起こらないようなユニークで特別な体験だったそうです。これは(原作者)ケイシーの作家としての才能、脚色を担当したマシュー・ロペスとテッド・マラワー、そしてキャストのおかげだと思います。これは、様々な意味で型破りで、ロマコメの新しいお手本となるべき作品だと思います。なぜなら、ロマンチック・コメディで最も重要なのはハートだからだ...そしてもちろんコメディも。