監督が「最高の恐怖体験」と評する『リング』に影響を受けた『ブギーマン』
全世界を恐怖に陥れた『キャリー』、『シャイニング』、『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』など、数えきれないほど多くの金字塔を生み出した、ホラー界の巨匠スティーヴン・キングの原作をもとに、大人気ドラマシリーズ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』の製作会社21 Lapsのプロデューサーチームが贈るサスペンス・ホラー映画『ブギーマン』が8月18日(金)より全国劇場にて公開される。
母の突然の死から立ち直れずにいる女子高生の姉セイディと幼い妹ソーヤー。セラピストである父親もまた、妻を失った悲しみに打ちひしがれ、娘たちと向き合うことができずにいた。そんな心に闇を抱えたバラバラの家族に、得体の知れない恐ろしい“ナニか”がしのび寄る…。
監督のロブ・サヴェッジは本作の脚本開発にあたり、1998年の映画『リング』を参考にしたという。「あれで解決したのではなく、あの恐ろしいものはまだいるのかもしれない」と気付かされる『リング』のラストシーンを観たときのことを「僕の人生における最高の恐怖体験」と語る監督は、脚本のマーク・ヘイマンに「この映画の終わりは、僕が『リング』を初めて観たときのように感じさせるものにしたい」と頼んだという。ジャパニーズ・ホラーの最高傑作ともいえる『リング』が、『ブギーマン』にどのような影響を与えたのか。ラストシーンに是非ご注目いただきたい。
ロブ・サヴェッジ監督は、現代的な題材で新しい表現を生み出すホラー監督
本作の監督を務めるロブ・サヴェッジの名を世に知らしめたのは、コロナ禍のロックダウン中、わずか12週間で完成させた映画『ズーム/見えない参加者』。Zoomを介して死者と交信を行う“Zoom交霊会”を始めた6人の男女に次々と不可解な現象が起こる、というタイムリーな題材が瞬く間に注目を集め、各方面で2020年のベストホラー映画のひとつとして挙げられた。
今年7月に日本公開されたばかりの監督映画『DASHCAM/ダッシュカム』では、迷惑系ライブ配信者の主人公が、フードデリバリーの仕事中に奇妙な配達依頼を受けたことから次々と恐怖に見舞われる姿を描く。現代社会らしい設定を下敷きに、まるで予測不能な狂気のジェットコースターに乗り込んでしまったようなスリリングな展開と随所に散りばめられた斬新なアイデアで、ホラーファンを中心にさっそく話題となっている。
現代的な題材を取り入れて新しい表現を生み出してきた新進気鋭の監督が『ブギーマン』で挑んだのは、欧米の民間伝承に登場する怪物“ブギーマン”をテーマにスティーヴン・キングが書き上げた短編の映画化。原作ではわずか8ページの密室会話劇を大胆にアレンジし、何世紀にもわたって恐れられてきた民間伝承の存在を、家族の物語として新生させた。冒頭から大胆なカメラワークで映画の世界にぐっと引き込み、観る者をブギーマンの恐怖に陥れながら、愛する人を失い悲しみに覆われた家族の喪失と再生を繊細な心理描写で描き切る。
Zoomやライブ配信など現代ならではのツールを活用し、新しいホラー表現を提示してきたロブ・サヴェッジ。現在、サム・ライミとともに新作を企画開発中のほか、『ブギーマン』続編の構想もあるという。ホラー映画界最注目の若きクリエイターが、スティーヴン・キングの原作をもとに何世紀にもわたって語り継がれてきた恐怖を描く最新作『ブギーマン』は、8月18日(金)より全国劇場にて公開される。