“21世紀で最もエロくて血なまぐさい”映画...!?
2023年夏もたくさんの話題作が公開されたが、アメリカの一部の批評家や観客の間で「この夏のベスト映画」「今年のベスト映画入り間違いなし」と話題になっている作品がある。それが、ティーンセックスコメディ『Bottoms(ボトムズ)』。
Rolling Stone誌は「21世紀で最もエロくて血なまぐさいハイスクール・ムービー」と大絶賛。米辛口批評サイトRotten Tomatoesでは、批評家のスコアは96% 、観客のスコアは100%(8月29日現在)と驚異的なスコアを記録している。
『Bottoms(ボトムズ)』のあらすじ・監督
映画『Bottoms』は、イケてないクィアの女子高生2人が、意中のチアリーダーたちに近づくために、女子生徒が自らを守るため護身術を学ぶという建前で「ファイトクラブ」を立ち上げるが、天敵のアメフト部員の男子達を巻き込んでトンデモない予想外の展開に…という内容の学園コメディ。
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本作の監督は、1995年生まれカナダ出身のエマ・セリグマン。ニューヨーク大学ティッシュ芸術学校で映画を学び、2020年に監督した『Shiva Baby(原題)』が、長編デビュー作ながらも批評家や観客から非常に高い評価を得た。
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現在、プライムビデオの映画『赤と白とロイヤルブルー』やNetflixのドラマ『HEARTSTOPPER ハートストッパー』など、クィアな主人公の作品がヒットしているとはいえ、残念ながら劇場公開作品ではとくにクィアの女性が主人公になるのはまま多くない。セリグマン監督は前作『Shiva Baby』でもクィアの女性のアイデンティティを表現する作品を制作しており、新たなレプリゼンテーション(表象)を牽引する存在として、今後の活動が期待される監督である。
クィア女性主演のティーン映画を制作した理由をセリグマン監督が明かす
脚本はセリグマン監督と、監督の2020年の映画『Shiva Baby』で主演を務めたレイチェル・セノットが共同で執筆したが、2人は、『ハイスクール・ミュージカル』、『キック・アス』、『アタック・ザ・ブロック』、『スコット・ピルグリム vs. ザ・ワールド』などの歴代の人気ティーン映画からインスピレーションを得たという。
Varietyのインタビューで、セリグマン監督は「あのジャンルが恋しいんです。あの派手で大げさなハイスクールが舞台の映画が懐かしくて…そういう映画を取り戻したかったんです。そしてこういう映画を作るにあたって、クィアで女性主導の内容にしたかったんです。決して違うジャンルにするということではなく、私たちならではのバージョンの映画にしたかったんです」と明かした。
ちなみにセリグマン監督は、今後の活動については「クィアのキャラクターやユダヤ人のキャラクターを使って、まったく異なるジャンルの作品、ホラー映画を作ってみたいです」と語っている。『Bottoms』は日本での公開・配信は今のところ未定だが、監督の前作『Shiva Baby』と合わせての日本公開が待たれる。
キャストには若き才能が結集、押さえておきたい注目の俳優がズラリ!
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レイチェル・セノット(PJ役)
恋愛経験に乏しい高校3年生のPJ役。セリグマン監督・脚本のデビュー作『Shiva Baby』の主演を務め、本作が再タッグとなる。A24が全米で配給した異色スリラー『BODIES BODIES BODIES/ボディーズ・ボディーズ・ボディーズ』や、ドラマ『THE IDOL/ジ・アイドル』の主役の親友のレイア役として出演。今後は、2023年第80回ベネチア国際映画祭コンペティション部門に出品予定の、サベリオ・コスタンツォ監督の時代劇『Finalmente L’alba』や、ニコール・キッドマンと共演の映画『Holland, Michigan』が公開予定。
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アヨ・エデビリ(ジョシー役)
PJの親友でチアリーダーのイザベルに恋をする高校3年生のジョシー役。映画『シアター・キャンプ』やドラマ『一流シェフのファミリーレストラン』に出演している他、『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』、『ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!』、『ビッグマウス』等声優としても多数の作品に出演している。セリグマン監督と、レイチェル、アイオウの 3人はニューヨーク大学ティッシュ芸術学校出身の長年の友人。何年も一緒にコラボレーションしたいと願っていたが、本作でついに 夢が叶う形となった。
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ニコラス・ガリツィン(ジェフ役)
PJとジョシーを目の敵にするアメフト部の生徒ジェフ役。2021年の映画『シンデレラ』でロバート王子を演じ注目を集め、映画『赤と白とロイヤルブルー』でイギリス王子のヘンリー役を演じ話題となっている。今作では、王子様キャラとは真逆の超イヤな奴に徹しているので注目! 今後は、ロマコメドラマ『The Idea of You』でアン・ハサウェイと共演予定。また歴史ドラマ『Mary & George』では、ジュリアン・ムーアとともにキャスティングされているなど大物俳優と共演する作品が控えている。
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カイア・ガーバー(ブリタニー役)
超ドライな性格のチアリーダー、ブリタニー役。90年代を席巻した元祖スーパーモデルのシンディ・クロフォードの娘。ドラマ『アメリカン・ホラー・ストーリー』シリーズや、映画『バビロン』にも出演。本作が本格的な女優デビュー作となり、今後はApple TV+のドラマ『Palm Royal』にも出演予定。公私共に注目を集める存在で、過去にはコメディアンのピート・デイヴィッドソンやオーストラリア人俳優のジェイコブ・エロルディと交際、現在は俳優のオースティン・バトラーとの交際が伝えられている。
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ハバナ・ローズ・リュー(イザベル役)
ブリタニーの親友でチアリーダーのイザベル役。2022年の映画『空はどこにでも』に出演し、スリラー映画『No Exit』では主演を努めた。『アメリカン・パイ』や『アバウト・ア・ボーイ』の監督・脚本を担当したクリス・ワイツの新作ホラー映画『They Listen』にも出演予定。
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※アヨ・エデビリの名前の表記が誤っていたため修正しました。