名作小説『吸血鬼ドラキュラ』の中でも最恐と評される“第七章”を初めて映画化した『ドラキュラ/デメテル号最期の航海』。9月8日(金)より全国公開となる本作で主人公クレメンス医師役を務めたコーリー・ホーキンズのオフィシャルインタビューが到着。(フロントロウ編集部)

本当に怖い吸血鬼伝説、映画『ドラキュラ/デメテル号最期の航海』

 全ての“ドラキュラ”モノの原点である、ブラム・ストーカーによる名作小説『吸血鬼ドラキュラ』。そのなかでも最恐と評される“第七章”をハリウッドが映画化した『ドラキュラ/デメテル号最期の航海』の舞台は、ロンドンに向けて約1ヵ月の航海をするデメテル号の船上。事件後、デメテル号船長の航海日誌に記されていたのは、逃げ場のない洋上で無慈悲な存在と対峙する乗組員たちの壮絶な戦いだった。

画像1: 本当に怖い吸血鬼伝説、映画『ドラキュラ/デメテル号最期の航海』

 主人公クレメンスを演じたのは、N.W.Aの伝記映画『ストレイト・アウタ・コンプトン』(15)でドクター・ドレー役に大抜擢され、その後もミュージカル映画『イン・ザ・ハイツ』の主演を務めるなど、俳優として多才に活躍するコーリー・ホーキンズ。本作では、高い知性を持ち、乗組員たちの信頼を集めながらドラキュラの脅威に立ち向かっていく医師を演じている。

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 そして注目のドラキュラ役は。『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』や『REC/レック』シリーズなどで数々のクリーチャーを演じて人々を恐怖に陥れてきたハビエル・ボテット。監督は、本作の脚本を読んですぐに“洋上のエイリアン”をイメージしたという、ホラー映画の気鋭アンドレ・ウーヴレダル。製作には、『ブラック・スワン』でアカデミー賞作品賞にノミネートされたマイク・メダヴォイとアーノルド・メッサー、そして数々のクリント・イーストウッド監督作品で撮影監督を務めるトム・スターンが参加するなど、一流のキャスト・スタッフが集結した。

クレメンス医師役コーリー・ホーキンズが映画を語る

――原作のこの章をどのように解釈しましたか?

コーリー・ホーキンズ(以下コーリー)::ご存知の通り、『吸血鬼ドラキュラ』の中で一番短い章のひとつで、僕にとってはもっとも恐ろしい章のひとつだよ。なぜなら、すべてが未知なんだ。あるのは船長の日誌だけだ。人々が消えていく。人々が死んでいく。 船内に悪魔がいるんだよ。完璧なホラー映画なんだ。もちろん、そういう映画になるのは当然。『エイリアン』(79)や『ジョーズ』(75)を見れば、未知なるものが存在して、そこから逃げることができない。アンドレがこういう作品を復活させたのは素晴らしいことだよ。それから、素晴らしい国際的な俳優たちが集まり、作品を埋めていった。原作にない空白を埋めたというべきかな。そして、この小さな、小さな章から物語を作り上げないといけなかったことに喜びがあるんだ。脚本で自分のためにすべてが綴られているときは、ただそれを解釈しているだけだけど、ここではそれを解釈し、さらに自分のビジョンやアンドレのビジョンを吹き込むんだ。コラボレーターとして、僕たちのビジョンを集合的にね。素晴らしかったよ。

――あなたは、クレメンス医師はアウトサイダーだと言っていました。ドラキュラ伯爵もクレメンス医師と似たような境遇にあると思いますが?

コーリー:クレメンスが不屈の精神を得た理由はそこにあると思う。彼はドラキュラが何者であるかを理解しなければならない。彼はある種の悪と向き合わなければならないし、自分自身とも向き合わなければならない。彼は自分自身のことをアウトサイダーとして見ている。ドラキュラはアウトサイダーだ。この物語ではアナもアウトサイダーだ。彼女はみんなに警告しようとしているけど、誰も聞いていない。ホラー作品の話をしているときに、僕はいつもこの話をしているんだけど、「他者」という考え方がある。理解できないものは未知のものというね。クレメンスは未知の存在として世界を歩いていると思う。時に彼はその象徴。そして、ドラキュラも象徴だと思うし、彼らはお互いに学び合っていると思う。クレメンスは科学に基づいた人物でありながら、超自然的なものが存在することを理解し、それに屈服し始める人になる。そして、恐怖に打ち勝ち、ドラキュラを殺そうとする男になる。呪いを葬る!ってね。ドラキュラは彼のことを他とは違うふうに理解し始める。ドラキュラはただの無知な獣ではない。彼は思慮深く、計算高い生物。そして、クレメンスもそのことを認識しているんだ。

――デメテル号の航海を通して、クレメンス医師は世界についてもっと知ることができ、運命や、完全に理解できないことに心を開けるようになったと思いますか?

コーリー:彼は、船員や他の乗組員には理解できない世界観を持っている。それは彼らの環境と違うからだ。そして彼はまた、有色人種として世界を歩いてきた。黒人としてね。彼はケンブリッジ大学で教育を受けた黒人医師であり、そのように世界を歩まなければならなかった。そして彼は世界のポジティブな部分を見たいと思っているが、それとは正反対のことに直面してきたんだ。この映画のドラキュラは、悪と恐怖の肉体的な現れだ。クレメンスは、自分が目的の場所に到辿り着くために、それを克服しなければならない。だから、彼はひとつのものとして始まり、間違いなくまったく違う場所で終わる。だから彼は前に進むことができるんだと思う(笑)。

――あなたは舞台でも映画でもシェイクスピアを演じています。ジュリアード音楽院に行き、今はブラム・ストーカーの小説を演じている。古典作品のどこに惹かれるのですか?

コーリー:演劇界ではこう言われている。ページに書かれていなければ、舞台はない。ページ上になければ、原作がなければ、作品を作るのは本当に難しいことになる。作家たちの作品作りの旅と戦いにエールを送りたい。でも、ブラム・ストーカーやシェイクスピアのような古典的なテキストがあれば、可能性は無限に広がる。僕たちがいまだにドラキュラについて語り続け、これほど多くのものを秘めているのには理由がある。それはとてもうまく書かれているんだ。つまり、ページから始まるんだよ。わかるよね?

――完成した映画はどうでしたか?

コーリー:とても誇りに思うよ。何カ月もかけてこの映画を作ったんだ。しかも、本当にクールな2つの場所、マルタとベルリンでね。キャストは方々からやってきた。自国では、ベストの中のベストなんだ。プロデューサーの仕事ぶりを誇りに思う。みんなが緊密にこの作品に取り組み、観客が誇りに思えるようなものを作るためにね。初めてドラキュラに触れる人たちにも、昔からのドラキュラ好きにも気に入ってもらえるような作品を作るために。ドラキュラを大スクリーン、銀幕に復活させる一翼を担えることは、本当に素晴らしいことだ。観客が僕たちと同じようにこの作品を気に入ってくれることを願うばかりだよ。

 『吸血鬼ドラキュラ』最恐の章を原作とする映画『ドラキュラ/デメテル号最期の航海』は9月8日(金)公開。

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