バーニングマンの参加者が豪雨で立ち往生
アメリカのネバダ州で開催されている大規模野外フェスのバーニングマンで豪雨が発生し、7万人以上が孤立していると米CNNほか複数のメディアが報じている。なお、参加者の1人が亡くなったことも明らかになっているが、バーニングマンの主催者は「天候とは無関係」だと発表している。
バーニングマンはネバダ州のブラックロック砂漠で毎年1回、10日間に渡り開催される大型フェスティバルで、参加者たちは電気、ガス、テレビ放送、携帯電話の電波などが一切ない環境で、自給自足の生活を送りながら、砂漠の中に現れる架空の街「ブラック・ロック・シティー」をアートや音楽で作り上げていく。主催者側が用意するのは、トイレと、食料の鮮度を維持するための氷のみ。水、食料、衣類、住居、燃料など、生きるために必要なものは、参加者が自分たちで調達しなければならない。そして、1週間後には、バーニング(burn=燃やす)という名前の通り、すべてを燃やして元通りにする。
今回の暴風雨はフェス終盤の9日目に発生した。乾燥した砂漠では少量の雨でも洪水になることが多く、さらに今回の大雨で砂漠の砂が粘土状になってぬかるみ、数千人規模の参加者が会場に足止め状態になっているとCNNは伝えている。
英BBCによると、豪雨のピークは過ぎたものの、今後も雨が降りつづく恐れがあり、立ち往生した人々が動けるようになるのには数日かかる可能性もあるとのこと。そのため現地では水、食料、燃料を節約するような呼びかけも行われていて、参加者たちのあいだにも混乱が広がっている。とくに、トイレの問題は深刻なようで、フェスに参加しているコメディアンのクリス・ロックもトイレで水が使えないため、排出物が流せない状態が続いているとSNSで報告している。
なかには会場から自力で脱出しようとした人もいて、車で脱出しようとして泥にはまって動けなくなってしまった人もいれば、荷物をおいたまま道路まで歩いてヒッチハイクをしてなんとか家にたどり着いた人もいるそうで、クリスとDJのディプロもファンが運転するピックアップトラックに乗って無事脱出した。
ちなみに、バーニングマンの主催者は、天気さえ回復すれば、巨大な木の人形を燃やす恒例のグランドフィナーレイベントを決行するとしている。