筋肉痛になるのを防ぐ方法
ハードなトレーニングや久しぶりの運動の後に出現する筋肉痛。運動してから数時間~数日後に引き起こる筋肉痛は、正確には「遅発性筋肉痛(DOMS)」と呼ばれるもので、長くとも1週間程度で治まることがほとんど。
筋肉痛になるメカニズムについてサウスカロライナ大学運動科学部の教授で認定ストレングス&コンディショニングスペシャリストのショーン・アーレント博士は、「筋肉痛は、運動によって筋肉組織が損傷し、その回復の過程で炎症が起こることが原因です」と米メディアShapeで説明。
そんな筋肉痛で気になるのが、未然に防げるのかというところ。多くの専門家の回答はイエス。防げる痛みのレベルには限度や個人差があり、必ず筋肉痛にならない方法というのは存在しないものの、心がけ次第で最大限防げるのだという。運動の専門家が教える、筋肉痛の予防術をご紹介。
水分補給を徹底
筋肉痛にならないためにもっとも大事と言っても過言ではないのが、水分補給を徹底すること。
2005年に行なわれた研究では、運動前、運動中、運動後に大量の水を飲んだ場合、全く水分を摂取しなかった男性に比べて、筋肉痛が大幅に軽減されることが分かった。
アーレント博士は、「水分を取ることで、老廃物の排出や血行を促し、筋肉に栄養が届きやすくなり、これによって筋肉痛が起こりにくくなります」と説明。運動前と運動中、そして運動後にしっかり水分補給を行なうようアドバイス。飲料は水でもいいものの、電解質が補給できるスポーツドリンクもオススメだそう。
運動後に筋膜リリース
筋肉痛を防ぐには、筋膜をほぐす筋膜リリースを取り入れるのも効果的だという。タイミングとして理想的なのは運動直後。
アーレント博士は、「マッサージガンや筋膜ローラーを使うと、滞りやすい血行が促進され、筋肉の炎症を和らげることにつながります」と説明し、運動した後すぐに筋膜リリースを取り入れるよう勧めた。
運動後30分以内にたんぱく質&炭水化物を摂る
運動した後にたんぱく質と炭水化物を取り入れることも、筋肉痛の予防につながる心がけ。
その理由についてアーレント博士は、「筋肉を修復してより強く戻すためには、必要な栄養素を筋肉に与える必要があるからです」と明かした。トレーニング後30分以内に、タンパク質20~40グラムと炭水化物20~40グラムを取り入れるようアドバイス。
しっかり寝る
激しいトレーニングや久しぶりの運動をした日には、十分に睡眠時間を確保することも大切。
アーレント博士は、「睡眠は、運動によって疲労した筋肉を回復させる働きがあります」と話し、少なくとも7時間は眠ることを推奨。睡眠時間の長さだけでなく質も重要なため、良質な睡眠を目指すことも大事だと補足した。
筋肉痛になるのを防ぐ4つのポイント。痛くなるのを避けたいという人は、ぜひ参考にしてみて。