更年期をサポートする画期的なアイテムが誕生
女性が直面しやすい健康課題のなかでも、月経と並ぶ代表的なものとして知られる更年期。閉経前後の各5年ほどを指す更年期は、女性ホルモンの1つであるエストロゲンの分泌量が急激に減少してバランスが乱れる影響で、心身のさまざまな不調を感じやすい時期。
そんな更年期に関する悩みを解消する、画期的な製品が海外で登場した。
その製品とは、自分の更年期の段階が分かる簡易テストキット「メノポーズ・ステージ・インジケーター(Menopause Stage Indicator)」。「メノポーズ・ステージ・インジケーター」は、家庭用妊娠検査薬でおなじみの米大手ブランドClearblueが発売した製品。
なにが分かる?どう使うの?
Clearblueから登場した「メノポーズ・ステージ・インジケーター」で分かるのは、更年期の中で自分が今、閉経前、閉経期早期、閉経期後期、閉経後のどのステージにいるか。
閉経の平均年齢は51歳とされているものの、更年期や更年期障害はその何年も前から始まる可能性があり、さらに不調や症状が他の健康上の問題と重複する可能性もある。そのため混乱しやすく、具体的に今自分は更年期に入っているのかが分からないことも。にもかかわらず、適切な準備や治療には自分の段階を把握しておく必要があるという。
「メノポーズ・ステージ・インジケーター」は、簡易的な検査で更年期の段階が分かるため、そんな複雑な問題を解消してくれる。
具体的にはどうやって検査するかと言うと、公式アプリに年齢や月経周期を入力したうえで「メノポーズ・ステージ・インジケーター」の本体に尿をかけるというもの。使い方自体は妊娠検査薬と似ているが、大きく違うのは「メノポーズ・ステージ・インジケーター」は10日間かけて検査するところ。
「メノポーズ・ステージ・インジケーター」は、1日おきに計5回の尿検査を実施。数日間にわたってFSH(卵胞刺激ホルモン)の変動を追跡することで、全体的なレベルが「低い」「高い」または「変動している」かどうかが分かり、閉経前、閉経期早期、閉経期後期、閉経後のどの段階にあるかを結果として教えてくれる。
データは連動させた公式アプリで見ることができ、推定される更年期の段階のほか、段階ごとのアドバイス、症状などさまざまなデータや情報の閲覧が可能。さらに医師をはじめとした専門家と共有できるパーソナライズされたレポートも生成してくれる。
「メノポーズ・ステージ・インジケーター」はなぜ生まれた?
「メノポーズ・ステージ・インジケーター」が誕生した背景にあるのが、社会における更年期の話題や情報の不十分さ。
更年期は多くの人が直面する健康課題であり、自然に訪れるライフステージであるにもかかわらず、女性を含めて社会全体で知識が少ないという問題があり、正しい情報や治療に辿りつくのが困難なのが現状。そんな更年期を取り巻く状況を変えるべく、「メノポーズ・ステージ・インジケーター」が開発された。
Clearblueのブランドディレクターを務めるリア・ウッド氏は、「更年期障害は妊よう性の10倍の検索ボリュームがありますが、実際の会話に占める割合はわずか25%です」と米Femtech insiderで説明。統計によると、女性の3分の2以上が更年期への準備ができていないと感じており、更年期障害を効果的に管理するための十分な情報を持っていると信じているのは45%のみ。
「メノポーズ・ステージ・インジケーター」はこのような問題を解消し、自分の更年期の段階や状態、症状を詳しく知ることで治療などの適切なステップに進むサポートをしてくれる。
Clearblueの研究開発部門でシニアディレクターを務めるフィオナ・クランシー博士は「Clearblueはこれまで35年以上、妊娠と妊よう性の分野におけるイノベーションの先駆者であり続けてきました。でも女性の性と生殖に関する課題は妊活や妊娠で終わるわけではありません。新たに発売する製品は、女性が閉経期への道のりについて情報と理解を得ることができる革新的な製品です」と話している。
海外で発売された更年期に関する画期的な製品。日本でも、月経や妊活に関する画期的な製品は徐々に増えてきているので、更年期に関しても新たなイノベーションが世に出る日も遠くなさそう。