アル・パチーノが作品賞の発表をめぐる論争にコメント
現地時間3月10日に開催された第96回アカデミー賞授賞式で作品賞のプレゼンターを務めたアル・パチーノが、ノミネートされた全10作品の名前を読み上げなかった理由を説明した。
アカデミー賞では、作品賞の発表をする前にプレゼンターが候補作の名前を読み上げるのが恒例だが、アルは候補作を紹介することなく、受賞作の名前が書かれた紙が入った封筒を開けると、「私の目には『オッペンハイマー』が見えます」と告げた。
一部で、アルが候補作の名前を読み上げなかったことに困惑や非難の声が上がるなか、アルが米Varietyを通じて声明を発表し、自身の判断ではなかったことを明らかにした。
「昨夜、私が作品賞を発表する前にすべての作品名を挙げなかったことについて、賛否両論があるようです。私が意図して省略したのではないことを、はっきりさせておきたいと思います。(作品賞の候補作は)式典全体を通して個別にハイライトされていたので、再度言う必要はないというプロデューサーの判断でした。私は授賞式に参加できたことを光栄に思っており、この賞の授与について彼らが望む方法に従うことにしました。ノミネートされることは人生の大きな節目であり、十分に認められないことは不快であり、傷つくことだと理解しています。私は、映画製作者、俳優、プロデューサーと深く関わっている者としてこれを述べています。したがって、私はこの見落としによって軽視された人々に深く同情しており、それがこの声明を発表する必要があると感じた理由です」
作品賞にノミネートされた映画は授賞式の最中にモンタージュが上映されるため、改めて紹介する必要はないとプロデューサーは判断したが、視聴者の目には“作品に対する敬意に欠けている”と映ってしまったよう。
ちなみに、授賞式の終了後にVarietyのインタビューに応じたプロデューサーのモリー・マクナニー氏は、「クリエイティブな判断でした。私たちは番組(※授賞式)が長くなりすぎることを心配していました。(中略)候補作の名前を読み上げる必要がないという私たちの決定が彼(アル)を困難な状況に陥らせたとしたら、申し訳ありません」とコメントしている。