待ちに待った6年振りの新型ラングラーはどの角度からもクール!
1987年からジープブランドで発売され、現在まで不動の人気を確立し続ける「ラングラー」。”ジープと言えばラングラー”と認知している人も多いはず。そんなジープを代表するラングラーの新作が6年振りに登場!
期待していた最新ラングラーはどの角度から見てもクールで、目を奪う圧倒的な存在のフォルム。ラインナップは「アンリミテッド・スポーツ(Unlimited Sport)」、「アンリミテッド・サハラ(Unlimited Sahara)」、「アンリミテッド・ルビコン(Unlimited Rubicon)」の3グレードがある中、今回試乗用に選ばせてもらったモデルは、最上級モデル「アンリミテッド・ルビコン」。
まずは女性にとって重要ポイントであるボディカラーに注目。カラーリングはメーカーによって様々だけれど、さすがは遊び心を熟知したジープならではの、洗練された色合いにうっとり。”ファイヤークラッカーレッド”という、その名の通り花火のように鮮やかではじけるようなレッドカラーに、ブラックとの掛け合わせが際立つ、ぜひとも女性に乗ってほしい、ポップでスタイリッシュなモデル。
ラングラーといえば、正面にあるフロントライトと7つの穴からなる“セブンスロットグリル”が特徴で、デビュー以来変わることなく伝統を引き継ぎ、時代とともに性能面で進化を遂げている。最新ラングラーではブラックのテクスチャーが施されスリムなデザインになり、モダンな印象を与えながら、機能的にも冷却効果を高めている。ちなみに、“セブンスロットグリル”はジープの図形商標として登録されているため、ジープだけが採用可能!
運転席に乗ってみると、高い運転席からの車窓風景は圧巻。この日は天候に恵まれたこともあり、トップを開けると風もふわっと入って視界もよく、気分が上がる。上質なナッパレザーシートは乗り心地が良く、ステアリングもしっとりと握りやすい。
見た目はビッグサイズのラングラーだけれど、実際に運転してみるとそのスムーズな走り出しに感動する。たくましい見た目とは裏腹に、女性が扱いやすく、優れた性能も人気の理由だろう。
ブラックを基調としたインテリアにレッドのステッチもスタイリッシュ。車両データをフルカラーで表示する大型ディスプレイ、スマホと連携する12.3インチの大型フルカラータッチパネルモニターが装備されている。
走行中の急な割り込みや、他車との急接近時には、センサーで検知して音と表示で警告してくれる、全面衝突警報も完備。個人的にはこういった最新機能があるのと無いとでは安心感が大きく異なり、狭く交通量の多い都内では心強い味方になるだろう。
また、今回は時間の都合で行けなかったけれど、ラングラ―でオフロード走行もしてみたい。天候に左右される山道や、過酷な悪路においても、ジープが注力する最新テクノロジーの機能面は、クルマでの冒険の可能性を広げてくれるに違いない。ちなみにこちらのラングラー、なんと水位およそ86㎝まで走行できるというから凄すぎる‼
“隠れジープ”を探せ!
またジープファンにはお馴染みの、遊び心が詰まった“隠れジープ”のチェックも忘れてはいけない。ジープのイラストが、クルマのあちこちに散りばめられているので、新型ラングラーでも探してみた。
ホイールキャップやガラスの端、そしてエンジンをつけると、フロントディスプレイに小さなジープが走り出す仕掛けもかわいい。
昔から根強い人気を誇るラングラーは、唯一無二なデザインと機能性の高さから、世界中に幅広いファン層を抱える。ラングラーを街で見かけると、どんな人が運転しているか気になってしまうのも、このクルマがアイコニックで特別なクルマだからだろう。
ジープ愛がつまった、ジープのサイン
ジープが産まれたアメリカでは、ジープドライバー同士がすれ違う時に、仲間意識の表れとして挨拶を交わすことを「Jeep Wave」と呼び、いくつかの挨拶のサインが存在するのも興味深い。
挨拶のサインはアメリカの地域によって異なり、いつくかのバリエーションまで存在する。ジープドライバー同士がすれ違う時に手を振るか、またはハンドルから4本の指を上げて「Jeep Wave」の「W」を作ってサインを示す場合もある。また米国南部では、1本または2本の指を上げて、お互いに頷くサインもあるという。
どれだけ多様なサインが存在しても、ジープドライバーの間ではそのサインを瞬時に認識して、快く反応し、ジープを所有するということを誇りに思い合うという、ジープ愛が強く感じられるエピソードだ。
また、ボディが大きく力強い印象のジープだけれど、デザイン性と機能性の高さから、元よりアメリカでは女性にも人気が高かった。近年ではSNSの普及により、世界各国で実際にジープを愛用する女性の姿を見ることができるのも見ていて楽しい。投稿されている写真は主にラングラーだ。
ワールドワイドで「#jeepgirl(ジープガール)」、日本でも「#ジープ女子」のハッシュタグで、愛車をおしゃれにカラフルに、そして楽しそうに投稿する女性が増え広がりを見せている。女性にとっても自慢できる存在なのだろう。
単なるクルマという枠を超え、愛すべきパートナーであり、乗ること自体がひとつのライフスタイルであって、自分のアイデンティティの一部と言える大きな存在になる。最新「ジープ ラングラー」と1日共にして、そんな素敵なクルマだと感じた。
テキスト:大柳 葵理絵
撮影:小林 俊樹