映画デビュー30周年、ユアン・マクレガー、実娘とのかけがえのない記憶を映画化！

離婚後、娘から父へ当てられた一本の“ラブレター”

『シャロウ・グレイブ』『トレインスポッティング』『ムーラン・ルージュ』『スター・ウォーズ』シリーズ（エピソード1~3）『ビッグ・フィッシュ』と数々の歴史に残る作品に出演してきたユアン・マクレガーも今年で映画デビュー30周年。

トレインスポッティングでの坊主頭にピタピタデニム、オールスターを履いていた頃が懐かしい。スターとしての貫禄がありながら、等身大で親しみやすい雰囲気を併せ持つ、THE・ナチュラル系俳優の彼が日本のスクリーンに現れる最新作として挑んだ作品はなんと、実娘のクララ・マクレガーからの“ラブレター”を発端としたもの。どんな内容か気になる！

『ユアン・マクレガー 大陸横断 バイクの旅』などのロードムービー作品でたびたび家族愛の深さを見せていたこともあり、2017年に22年連れ添ったイヴ・マヴラキスとの離婚に驚いた人も多いはず。2022年の女優、メアリー・エリザベス・ウィンステッドとの再婚の際にはクララの猛反対が話題にもなったし。

互いの人生の変化に傷付いて、会わずにいた時間も長かった2人だったけど、ある日クララはユアンへ1本の“脚本”を送ったのだそう。それが『ブリーディング・ラブ はじまりの旅』というわけだ。

アカデミー賞ノミネート作品製作陣とALLアンダー33の女性チームの融合

「物語の美しさに度肝を抜かれた。実際の話ではないけれど、私たち家族のことを感じられる内容だった」。脚本を読んだユアンはそう回想している。

ユアンをエグゼグティブプロデューサーに、制作には『パスト ライブス／再会』『キャロル』のプロデューサー陣が名を連ね、監督には、本作が長編として初監督となる33歳のオランダ人、エマ・ウェステンバーグを抜擢。

彼女について少し触れておくと、監督を務めたMV、ジャネール・モネイの『PYNK』はグラミー賞にノミネート、アメリカ最大の視聴率を誇るスーパーボウルのための特別スポットをゾーイ・クラヴィッツを起用するなど、今最も注目されるクリエイターの1人だ。

脚本チームにはルビー・キャスター、ヴェラ・バルダー、そしてクララ・マクレガーが共同で制作。。アンダー33歳の若いエネルギーとリアルな視点でオリジナリティ溢れるストーリーを紡いでいる。

大陸横断 バイクの旅然り、こうしたチーム編成を見ても、ユアン・マクレガーの人徳と、時代を捉えた上での「面白くしたい」という意気込みが感じられるところにまず興味を抱いてしまう。

サンディエゴからサンタフェへ、1400km間にある親子愛ロードトリップムービー

本作の制作時期はコロナパンデミック真っ只中の2021年。アメリカ南西部、カリフォルニア州のサンディエゴから、ニューメキシコ州サンタフェまでの約1400km。

ひとけの無い本来の姿を取り戻した壮大な自然の中を、青いトラックが駆け抜ける。目を伏せたくなるような険しい日差しも、2人の孤独が解けていくたびに、煌めきを放ち美しい光と変化していく。傷を負った2人が過去と向き合い、見る景色。

友達でも、恋人でも、夫婦でもない、親と子の間にだけ存在する愛の物語。その正体をこの映画は問いかけてくる。

どこか懐かしい楽曲の数々も本作の大きな魅力のひとつ。今作のタイトルにもなっている、イギリス人DIVA、レオナ・ルイスの大ヒット曲「Bleeding Love」は、ユアンと幼い頃のクララの思い出の楽曲だ。エンディングでは、アレッシー・ブラザーズの名曲『Seabird』をユアンとクララがデュエットで熱唱する場面も。

「日本の皆さんにたくさんの愛を』 ユアンから届いた動画メッセージ

フィクションかノンフィクションか、素なのか、演技なのか、途中からそんなことはどうでもいいと思えるほど、2人による「2人の世界」に引き込む力をぜひスクリーンで感じてみて。

『ブリーディング・ラブ はじまりの旅』
<STORY>
何年も疎遠だった娘のある出来事をきっかけに、父は彼女をニューメキシコ州に向かう旅に連れ出す。関係を修復したくても、どうすれば二人の溝を埋められるか分からない。
娘は父との美しい過去を思い出しながらも、自分を捨てた父を許すことができず反発を繰り返す。
旅の目的地が近づいてきた時、二人はお互いが抱える問題と向き合うことになる。

監督：エマ・ウェステンバーグ
脚本：ルビー・キャスター、クララ・マクレガー、ヴェラ・バルダー
出演：ユアン・マクレガー、クララ・マクレガー
配給・宣伝：ロングライド
2023年／102分／シネマスコープ／5.1ch/カラー／

新宿ピカデリーほか全国公開中
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