リアルなヴィジュアル表現でスポーツ人口は増えるのか。今求められているスポーツヴィジュアルの真意。

Getty Imagesがヴィジュアルをテーマに行った消費者意識調査

パリオリンピックの興奮と余韻が残る今日この頃、IOC公式フォトエージェンシーのGetty Imagesは「今、求められているビジュアルコンテンツ」をテーマに、消費者意識調査(VisualGPS)を実施し、その結果を発表した。
これによると、世界でおおよそ10⼈に3⼈(30%)がスポーツをしていること。また、その主が若い世代と男性ということが判明。⼀⽅で、⼥性の参加率は低く、特に北⽶、アジア、オセアニア地域では4⼈に1⼈(25%)以下にとどまっていることも明らかに。

ランニングやエクササイズなど、周りでもスポーツをしている人口が増えている印象があるだけに意外なデータと思った人も多いのではないだろうか。そこで今回は、この調査をもとには「スポーツと⼥性」に焦点を当てながら、少し違った視点で考察。スポーツにおける⼥性の広告やメディアでの捉え⽅の変化、⼈々に今求められている「スポーツをする⼥性のビジュアル表現」の現状とは?

画像: Getty Imagesがヴィジュアルをテーマに行った消費者意識調査

スポーツ参加における地域差、男⼥差、世代差

VisualGPSの調査結果によると、スポーツに参加している⼥性の割合は地域によって⼤きく異なる。ラテ ンアメリカとヨーロッパでは参加率が⾼く、北⽶とアジア太平洋地域では参加率が低い傾向。

⽇本では男性の5⼈に1⼈がスポーツに参加しているのに対し、⼥性は10⼈に1⼈しか参加していないという結果。

世界的に⾒ると、スポーツに参加するのは若い男性が、⽇本ではミレニアル世代の男性(26%)が最も活発で、X世代(19%)、ベビーブーマー世代(19%)がそれに続く。

また、Z 世代の男性の参加率は7%と最も低 い。⼀⽅で⽇本の⼥性は、Z世代の参加率が最も⾼く(17%)、X 世代とベビーブーマー世 代(ともに11%)が続き、ミレニアル世代の⼥性の参加率は最も低く、4%であることが分かった。

スポーツ参加の障壁は「時間的制約」

ではなぜこんなにも男女間で比率が異なるのか。スポーツ参加への障壁となっているものは何か、VisualGPSの 調査結果によると、スポーツ参加への障壁と して世界的に上位に挙がるのは、「時間的制約」と「⾝体的制約」のよう。
仕事や家事、育児など、様々なライフスタイルにおいて、スポーツをするための時間の確保ができないというのが現状のようだ。また、⾃分がスポーツをするだけの⾝体能⼒がないと考えている⼈も多い。

⽇本に限定すると、男⼥とも「時間的制約」、「関⼼ の⽋如」、「⾝体的制約」が主な障壁に。オリンピックを見た後のこの機会をチャンスと捉え、何か身体を動かす機会をルーティン化したい。

画像: スポーツ参加の障壁は「時間的制約」

スポーツをする原動⼒は「ストレス解消」

⼀⽅で、スポーツ参加の原動⼒として挙げられたのが、「ストレス解消」や「息抜き」といったメンタルケアの部分が大きく、続いて「理想的な体型づくり」といった答え。

面白いのは、男性はスポーツに「興奮と競争⼼」を求めているのに対し、⼥性は「⾃尊⼼の向上」を重視していること。女性にとってスポーツは、チームワークを育んだり、様々な年代の⼈と交流したりすることなどが魅⼒的なテーマでもあるようだ。
スポーツに関する参加状況や背景が⾒えてきたところで、ここからは⼈々がスポーツをする⼥性に対してどういうビジ ュアルを求めているかについて、VisualGPS の調査結果をもとに紐解いてみよう。

⼥性のリアルな姿を男性と同じようにビジュアルで表現すること

VisualGPS 調査結果によると、世界では消費者の7割以上が、「⼥性アスリートを美しさではなく、技術や運動能⼒に焦点を当てたリアルな姿で表現してほしい」と求めていることが判明。
⽇本の消費者についても、 67%がそれを⽀持しており、⼥性アスリートの本物の能⼒と献⾝的な姿を強調するビジュアルを求めている。「本物であること」が⼤事であり、⼥性アスリートに対する平等報道も重要なようだ。
世界では73%、⽇本では64%が、⼥性アスリートが男性アスリートと同じようにメディアの注⽬を浴びる必要性を強調している。これはメディアの表現はジェンダー平等を⽬指すべきであることを⽰していると考えられる。
さらに、メディアで⼥性アスリートの姿を⽰していくことは、⼦供たちがインスピレーションを得るために⾮常に重要であることもわかり、若い世代の⼥⼦スポーツへの参加を奨励するためにも、ロールモデルとなるような⼥性アスリートの姿をメディアで強調していくことが必要なようだ。

⽇本のスポーツにおける⼥性のビジュアル変化

Getty Imagesによるヴィジュアル変換を紐解いていくと、2013年から2023年までは、スリムな⼥性がランニングやヨガ、筋⼒トレーニングなどのヴィジュアルが多く扱われていたのに対し、それ以前は⼥性が減量する姿がメインに据えられ、痩せていることが美しいとされてきた時代であることが分かる。
徐々に筋⼒トレーニングやリラクゼーション、体と⼼のバランスの取れた「ホリスティックウェルネス」を盛り込んだ、よりバランスの取れたアプローチへとシフトし、2020年には、フィットネスの中にテクノロジーが組み込まれたビジュアルが入り込むように。

またメタボなどのワードの定着化により、60歳代以上の人が運動するのが当たり前になったのもこの頃のこと。スポーツをする⼥性のビジュアルは、⼥性⾃⾝のスポーツへの関⼼の広がりや憧れとともに、フィットネスやウェルビーイング、個々の成果を求める姿などに反映 されていることがわかる。

画像: ⽇本のスポーツにおける⼥性のビジュアル変化

未来における⼥性のスポーツヴィジュアルのポイント

これらのエビデンスから、今後、女性を被写体としたスポーツヴィジュアルは、何気ない⽇常、友⼈や家族と取り組む社会 的側⾯へのアプローチ、容姿ではなく、技術や運動能⼒にフォーカスするリアルな表現へと移り変わっていくことになりそう。

「⽇常」、「グループ活動」、「⼥性アスリートの技術」「運動能⼒」「多様な年齢層」「チームワーク」「多様性」「達成感」「成功」 これらのキーワードがヴィジュアルの基盤となると、スポーツへの参加者はより増えるのかもしれない。ポイントは「親近感」と「リアルと憧れ」。FRONTROWでもその点を大事に表現していきたい。

調査概要
調査期間:2024年1⽉25⽇〜3⽉1⽇
調査対象:年齢、性別、地域などを考慮し、22カ国の18歳以上7000名を対象に実施。 ⽇本のサンプル数は500。

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