『SHOGUN 将軍』のプロデューサーである、ジャスティン・マークスとレイチェル・コンドウが、製作過程における苦悩や挑戦について語った。

エミー賞で最多25ノミネートの快挙

7月、米テレビ界の“アカデミー賞”といわれる第76回エミー賞で、ドラマシリーズ部門にて作品賞・主演男優賞・主演女優賞・監督賞など、主要部門を含む22部門・最多25ノミネートを記録した『SHOGUN 将軍』。

製作期間はなんと6年。コロナの影響もあり、現実はとてもカオスだったようで、スタッフ陣はどう作っていくか必死に模索したのだとか。

もともと、作家として活動していたレイチェル・コンドウは、映像に関わるのはこれが初だったとのこと。彼女は日本にルーツを持っているが、「正直に言うと、私が日本にルーツを持っていることはあまり関係はない。というのも、私はハワイで生まれ育った。そして、この作品の内容は何世代も前のことで、しかも現在との間には400年の隔たりがある。誰にとっても新しいことで、真田広之さんのような経験豊富な方でも、新しい挑戦だった。」とコメント。

画像: ジャスティン・マークス(左)とレイチェル・コンドウ(右)

ジャスティン・マークス(左)とレイチェル・コンドウ(右)

さらに、ジャスティン・マークスは「キャラクターのセリフが最も難しく、言い回しや方言の違い、古い日本語と現代日本語の混合が課題だった。リサーチを繰り返し、専門家に沢山質問をする必要があった。」とセリフ作りの難しさを語った。

歴史をテーマにした作品でよく問われるのは「正確性」。本ドラマでは事実の「正確さ」よりも、時代や文化に対する忠実さやリアリティを重視し、「本物性」を大切にしたとのこと。そのためにも、日本のパートナーと協力し、アドバイスを受けながら制作を進めたそう。また、アメリカが日本を題材にしたドラマを作るにあたり、レイチェル・コンドウは「完全に西洋の制作物ではなく、様々な視点や声を取り入れた両者の融合を目指した。」と述べた。

最後に、スケールの大きさからドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』と比較されることも多い本作。ジャスティン・マークスは「私たちが伝えようとした物語とは、それほど関係がないと思う。実際には『ゲーム・オブ・スローンズ』よりも『メディア王 〜華麗なる一族〜』をよく見ていた。ある意味で人間の本質を描いた非常に悲劇的なコメディだと思う。」と語った。

続編も決まっている本作。とても楽しみだ。

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