The Black Keysが音楽ファンに贈る最新の一手、それが新曲「No Rain, No Flowers」だ。タイトルはそのまま、8月にリリース予定のアルバムの名を冠したこの楽曲は、これまでに発表された「The Night Before」「Babygirl」に続く第3弾の先行シングルとなる。

この曲を聴いてまず感じるのは、前作『Ohio Players』とは明らかに異なるアプローチ。前作ではBeckやNoel Gallagherらがゲストとして参加し、パフォーマンス面での豪華さが際立ったが、今作では光が当たっているのはむしろ「ソングライティング」だ。The Black Keysは、長年業界で信頼されてきたソングライターとの密な共同作業を通して、より内面に寄り添うサウンドへと歩を進めている。

特筆すべきは、Lana Del Reyの名作『Ultraviolence』で知られるRick Nowelsとのタッグ。ピアノで曲を書くタイプのアーティストとコラボするのは今回が初だったというが、バンドは「すぐに意気投合した」と語る。作り込まれたメロディ、繊細な情感、そしてにじみ出る温もり——そのすべてが、今作における彼らの真摯な姿勢を物語っている。

そして、もうひとつの注目ポイントは、まもなくスタートする全米ツアー「No Rain, No Flowers Tour」。5月23日のオクラホマ公演を皮切りに、ロサンゼルス、ニューヨーク、ボストンなど主要都市を縦断する。ステージ上でこの曲たちがどのように生きるのか——それは、ロックファンにとって見逃せない瞬間となるだろう。