階段の“位置”が物語る、登場人物たちのパワーバランスとは?
映画に登場することが多い演出の一つとして知られているのは、階段の上で行なわれる会話。何気ない気持ちで見ている人も多いかもしれないけれど、実は深い意味が隠されていることが演出のプロにより明かされ、大きな話題となっている。
明かしてくれたのは、脚本家である男性。夫婦で『プリティ・プリンセス2/ロイヤル・ウェディング』を見ながら、彼が階段シーンの意味を熱心に解説し、その様子を妻が撮影。このような解説はいつものことだそうだけれど、動画は56万回以上の「いいね」がされるほど注目されている。その動画で彼はこのように語っている。
@leniethamer Today’s lesson: staircases � maybe one day we will finish the movie lol but I do love the fun facts. #movie #movienerd #geek #princessdiaries #screenwriter #moviereview #disney #disneyplus #annehathaway #chrispine #couplegoals #behindthescenes ♬ original sound - leniethamer
「必ずと言っていいほど、映画に階段のシーンが出てきたら、登場人物の上下関係を視覚的に表現しているんだよ。その場を仕切っている人は高い段にいる。(中略)下にいる人は、話を聞いている人」
「階段を上りながら誰かに話しかけていたら、下の段にいる人物に何か指示をしていたり、そのシーンの主導権を握っている。『プリティ・プリンセス2』でも同じだよ。ミアは男性の話をし、さらに指輪を気に入っていると言っている。この時、彼女はニコラスよりも上の段に立っている。だけど、ニコラスは反論しながら階段を上っていく。彼はこの場面の主導権を握ろうとしているんだ」
「そして、ここでミアだけ反対側の階段に向かうんだ! このシーンは、誰が勝負を制するかを表現している。ミアとニコラスは主導権を巡って争いをしていて、二人とも階段を上るんだ。ミアが先に話し始めて、その時ミアは上の段にいる。でも、階段の真ん中で同じ高さになったところで二人とも立ち止まり、会話を続ける。次にメイドが登場。メイドの本来のランクは下だけれど、このシーンでは階段の一番上にいる。その理由は、ミアたちはメイドの発言に対して応答しなければならないから。そしてメイドが去り、ミアとニコラスは階段を上りながら会話を再開する。こうして、主導権を誰が握っているのか、階段が表現しているんだよ」
この動画のコメント欄では、『ミーン・ガールズ』や、『ハリー・ポッター』、それに『クレイジー・リッチ!』など、さまざまな映画で使われている階段シーンについて語られている。
次に映画を見るときは、何気なく見過ごしていた階段シーンにも注目してみると、新たな発見があるかもしれない。