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『ワン・バトル・アフター・アナザー』がアカデミー賞6冠達成、ディカプリオだけ受賞逃す

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BY FRONTROW Editorial Dept.
『ワン・バトル・アフター・アナザー』がアカデミー賞6冠達成、ディカプリオだけ受賞逃す
写真:@onebattleafteranothermovie/Instagram

 第98回アカデミー賞で作品賞を含む6部門を制した話題作『ワン・バトル・アフター・アナザー』。だが、主演を務めたレオナルド・ディカプリオは、自身6度目となる主演男優賞ノミネートで受賞を逃していた。(フロントロウ編集部)

13ノミネートから6冠、話題作が席巻

 2026年3月15日にロサンゼルスのドルビー・シアターで開催された第98回アカデミー賞で、もっとも大きな注目を集めた作品のひとつが『ワン・バトル・アフター・アナザー』だった。ポール・トーマス・アンダーソン監督がレオナルド・ディカプリオを主演に迎えた本作は、13部門にノミネートされ、そのうち6部門で受賞を果たした。

 受賞したのは、作品賞、監督賞(ポール・トーマス・アンダーソン)、脚色賞、助演男優賞(ショーン・ペン)、編集賞、そして今回新設されたキャスティング賞の6部門。本作は、初めて授与されたキャスティング賞の受賞作としても歴史に名を刻んだ。本作は、トマス・ピンチョンの小説『ヴァインランド』から着想を得た脚本で脚色賞を受賞した。

 作品としての勢いは授賞式より前から明らかだった。ナショナル・ボード・オブ・レビュー(NBR)は本作を2025年のベスト・フィルムに選出し、ゴールデングローブ賞でもミュージカル/コメディ部門の作品賞を受賞した。世界興行収入は2億1,300万ドル(約346億円※)を超え、アンダーソン監督のキャリアで最高のヒット作となった。ノミネート数では、マイケル・B・ジョーダン主演の『罪人たち』が史上最多の16部門で首位に立ち、本作はそれに次ぐ13部門でノミネート数2位となった。

主演男優賞を制したのは、意外にも別の俳優だった

 これだけ作品が席巻すれば、主演のディカプリオも――と思いきや、そうはならなかった。ディカプリオは、冴えない元革命家ボブ役で自身6度目となる主演男優賞ノミネートを果たしたものの、トロフィーには手が届かなかったのだ。

 主演男優賞を射止めたのは、ライアン・クーグラー監督のホラー『罪人たち』で双子の兄弟を一人二役で演じたマイケル・B・ジョーダン。彼にとってこれが初のオスカーとなった。しかも、一人二役の芝居で主演男優賞に輝いたのは、『キャット・バルー』(1965年)のリー・マーヴィン以来、61年ぶり2人目という快挙でもあった。同部門ではほかに、ティモシー・シャラメやイーサン・ホークらもノミネートされていた。

 皮肉なことに、賞レースの前哨戦では風向きが違った。米メディアのMovieWebなどによると、ナショナル・ボード・オブ・レビュー(NBR)ではディカプリオが主演男優賞に選出されており、シーズン序盤には有力候補の一人と目されていたのだ。それだけに、作品が席巻したアカデミー賞での“取りこぼし”は、ファンにはいっそう惜しく映った。

 もっとも、ディカプリオにとってオスカーの舞台は初めてではない。彼はすでに『レヴェナント:蘇えりし者』(2016年)で悲願の主演男優賞を受賞している。今回は2つ目のトロフィーとはならなかったが、無冠のまま挑み続けた時代とは状況が違う。作品が6冠を飾るなかで主演俳優だけが受賞を逃すという、なんとも複雑な結果になった。

「娘のもとへ帰ろうとする父」を演じきった代表作

 日本では2025年10月3日にワーナー・ブラザース映画の配給で公開された本作は、上映時間162分の大作だ。ディカプリオ演じるボブは、かつて世を騒がせた革命家でありながら、いまは平凡で冴えない日々を送る中年男性。ある日、ひとり娘のウィラ(演:チェイス・インフィニティ)がさらわれ、ボブは彼女を救うため、次々と現れる刺客との戦いに身を投じていく。彼を執拗に追い詰めるのが、軍人ロックジョー(演:ショーン・ペン)だ。

 アクション大作でありながら、物語の核にあるのは家族の絆だ。ディカプリオは本作について、アンダーソン監督が1960年代後半の革命家たちの姿を現代に置き換えて描いた作品であり、その根底には、娘のもとへ帰り、再びつながろうとする父の物語があると説明している。批評家からの評価も高く、レビュー集計サイトのロッテン・トマトズでは9割を超える高い支持率を記録した。娘ウィラを演じたチェイス・インフィニティは、本作が長編映画デビュー作ながら、その熱演で一気に注目を集める存在となり、宿敵ロックジョーに扮したショーン・ペンの怪演とともに作品の評価を押し上げた。

 興行面でも世界興行収入2億1,300万ドル(約346億円※)を超え、批評・興行の両面で2025年を代表する話題作となった。主演男優賞こそ逃したものの、話題作の顔として賞レースを通じて存在感を示したのは、まぎれもなくディカプリオだった。51歳を迎えた名優が、キャリアの成熟期に放った本作は、受賞の有無を超えて代表作の1本として語り継がれていきそうだ。

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