俳優業での活躍が続くなか、「もう歌わないのでは」という憶測も広がったアリアナ・グランデ。本人は音楽から離れるつもりはないときっぱり否定し、キャリア約15年の節目で見据える“これから”について語っている。(フロントロウ編集部)
映画での成功が呼んだ「引退では?」という憶測
『ウィキッド』2部作でグリンダ役を演じ、俳優として一段と評価を高めた歌手で俳優のアリアナ・グランデ。その後も、ベン・スティラーと共演する『ミート・ザ・ペアレンツ』シリーズ第4作『Focker-in-Law(原題)』など、映画の仕事が続き、一部のファンの間では「このまま音楽から離れてしまうのでは」という不安の声もあがっていた。
アリアナは、2024年のアルバム『eternal sunshine(エターナル・サンシャイン)』で、約4年ぶりに本格的なアルバム活動を再開した。そのタイミングで俳優としての快進撃が続いたため、「また長い沈黙に入るのでは」という憶測が広がりやすかったのだ。彼女は10代の頃から子ども向けドラマや舞台、そして歌手として休みなく走り続けてきただけに、「そろそろ音楽を離れるのかもしれない」と受け取るファンがいたのも無理はない。
「私のライフライン」――音楽への思いを吐露
こうした声に対し、アリアナ本人がSNSではっきりと反論している。米ローリングストーンによると、多くの仕事を抱えているからといって歌や音楽を手放すつもりだと決めつけるのはとても愚かなことだ、という趣旨のメッセージを投稿し、音楽はこれまでも、これからも自身の「ライフライン」だという趣旨の言葉をつづった。音楽は俳優業と天秤にかけるものではなく、これからも手放すつもりはないと明言した形だ。
彼女にとって歌は、俳優業と比べて優先順位を落とすものではなく、生きるうえで欠かせない“命綱”だという。ファンの心配を一蹴するような、迷いのない言葉だった。俳優業がどれだけ多忙になっても、彼女に音楽をやめる意思はないようだ。
ツアーは「当面最後の大舞台」? 見据える“これから”
一方で、2026年6月に米オークランドで開幕したおよそ7年ぶりのツアー「Eternal Sunshine Tour」については、少し複雑な胸の内も明かしている。アリアナは、この規模のツアーを今後しばらく行なわない可能性があると語り、「ひとまず最後の大舞台」になるかもしれないと示唆した。音楽そのものはやめないが、大がかりなツアーを頻繁に行なう生活とは距離を置きたい――そんなニュアンスだ。
「Eternal Sunshine Tour」は、彼女にとっておよそ7年ぶりとなるツアーで、過去よりも公演数が抑えられている。米ビルボードによれば、過去の大規模なツアーとは異なり、今回は本人が無理なく走り切れるよう、公演数が抑えられているという。動員数の拡大を追うのではなく、自分に合ったペースで歌と向き合う――そこにも、彼女が語る“バランス”の考え方がはっきりとにじんでいる。
矛盾するようにも聞こえるが、彼女が口にするのは“引退”ではなく“バランス”。歌手と俳優として走り続けた約15年を経て、これからの数年は、これまでとは違う過ごし方をしたいという思いがにじむ。仕事に追われるのではなく、音楽も演技も自分のペースで続けていく――そんな次の章を描いているようだ。アリアナ自身も、これから数年の過ごし方が、過去15年と同じになるとは思わないと語っている。
アリアナはこれまでも、若くしてスターダムに上りつめたことによる重圧や不安について、率直に語ってきた人物だ。だからこそ、走り方そのものを見直す“バランス”という言葉には実感がこもる。とはいえ音楽やステージへの情熱が薄れたわけではなく、音楽やステージはこれからも人生の一部であり続けるという思いも明かしている。
「善い魔女」グリンダ役がくれた“癒やし”
さらにアリアナは、グリンダ役を演じた経験が、ポップスターとして注目され始めた頃に抱えていた不安と向き合う助けになったとも明かしている。音楽や名声と結びついていた過去のトラウマが、少しずつ癒やされていくのを感じているという趣旨の発言だ。世界的スターとして注目を浴び続けてきた彼女にとって、別の役を生きる時間は、心を整える貴重な機会にもなっていた。
新作アルバム『petal(ペタル)』についてアリアナは、冷たく硬い困難の亀裂から、生命力に満ちたものが芽吹くイメージを込めた作品だと説明している。長く走り続けるなかで抱え込んできたものと向き合い、そこからもう一度花を咲かせる――そんなイメージは、いまの彼女が口にする“バランス”や“癒やし”の感覚とも重なるものだ。音楽をやめるどころか、これまで積み重ねてきた経験のすべてを、次のアルバムに注ぎ込んでいることがうかがえる。
音楽への思いを改めて示したアリアナは、8枚目のスタジオアルバム『petal(ペタル)』を2026年7月31日にリリースする予定だ。歌と演技、その両輪で自分らしく歩もうとする彼女の“これから”に、注目が集まっている。
















