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首輪をつけられた19歳。ヤン・コマサの監禁スリラーが11月公開

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首輪をつけられた19歳。ヤン・コマサの監禁スリラーが11月公開
(C) 2025 Skopia Film Sp. z o.o., RPC Good Boy Limited, Venatu Capital Ltd, Canal+ Polska S.A., TVN S.A., WFDiF, All Rights Reserved.

ドラッグとパーティーと暴力に明け暮れる19歳が、ある夜さらわれる。目を覚ました地下室で、彼は自分が犬のように首輪を嵌められ、鎖でつながれていることに気づく──ポーランドの鬼才ヤン・コマサ監督の新作『HEEL/ヒール』が、11月27日より日本で公開される。ティザービジュアルとシーン写真1点もあわせて解禁された。(フロントロウ編集部)

タイトルの「HEEL」には、二つの意味がある

「HEEL」は「悪党」「卑劣な人」を指す言葉であると同時に、犬の服従訓練で飼い主のそばについて歩くよう命じる号令でもある。悪党であるはずのトミーが、犬のように“躾”されていく。この物語を象徴する二重の意味が、タイトルには込められている。

誘拐されたトミー(アンソン・ブーン)が連れ込まれるのは、人里離れた一軒家だ。そこには物腰の柔らかな父クリス、心に深い傷を抱える母キャスリン、そして幼く従順な息子ジョナサンが暮らしている。謎めいた夫婦は、罰と褒美を与えながらトミーを“いい子”に更生させようとする。彼らの本当の目的は、最後まで見えてこない。

『アドレセンス』のスティーヴン・グレアムが、父親を演じる

一家の父クリスを演じるのは、『アドレセンス』のスティーヴン・グレアム。母キャスリンには『To Leslie トゥ・レスリー』のアンドレア・ライズボロー、トミー役には『1917 命をかけた伝令』のアンソン・ブーンが起用された。息子ジョナサンはキット・ラクセンが演じる。

監督のヤン・コマサは、『聖なる犯罪者』で米アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされた人物だ。現代社会に潜む矛盾と人間の倫理を鋭く描いてきた作家が、今回は誘拐犯と被害者の関係そのものを解体しにかかる。

ティザービジュアル「自由はおあずけ。」
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プロデューサーは、今月亡くなったばかりのジェレミー・トーマス

製作に名を連ねるのは、ポーランド映画界の巨匠イエジー・スコリモフスキと、ジェレミー・トーマス。トーマスは半世紀以上にわたるキャリアで80本以上の作品を手がけた人物で、今月11日に77歳で逝去したことが報じられたばかりだ。同じくトーマスが製作を務めた小栗旬とリリー・ジェームズの共演作も、この秋に日本公開を控えている。

解禁されたティザービジュアルは、広い草原にひとりぽつんと座り込むトミーを捉えたビジュアルだ。彼が身につけているオレンジ色の派手な柄シャツと、彼の目に映る世界を表したようなモノクロの風景が、強いコントラストを作っている。青空の下、鎖につながれたトミーがどこにも行けないことを示唆するように、「自由はおあずけ」というコピーが添えられた。

「人は変われるのか」を、いちばん意地悪な角度から聞く

『時計じかけのオレンジ』を彷彿とさせる異様な<再教育>が進むにつれ、誘拐犯と被害者の区別は少しずつ曖昧になっていく。いびつな共同生活は、やがて“家族”のかたちを成しはじめる。

人は変われるのか。愛と支配の違いは何か。大胆かつ挑発的な視点で“正しさ”を問い直す、危険な家族の寓話だ。本作は2025年のトロント国際映画祭でワールドプレミアを迎え、同映画祭に正式出品されている。

『HEEL/ヒール』は11月27日より、新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて全国ロードショー。

10月5日、“家族の時間”を切り取ったシーン写真10点と監督の声明文が公開

公開まで2カ月を切り、シーン写真10点がまとめて公開された。リビングでの団らん、子どもとのゲーム、ベッドルームでのひととき、青空の下のピクニック。どれも穏やかな家族の一場面に見えるが、トミーの首には必ず頑丈な首輪がはめられ、鎖がつながれている。異様な状況が日常の風景にすっかり溶け込んでいることが、かえって不気味さを際立たせる。

首輪をつけたままリビングで家族と過ごすトミー
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あわせて、ヤン・コマサ監督の声明文も公開された。監督は、注目されることに飢えた世界で「たとえ自由でも誰にも見られずにいるのならその自由に意味はあるのか?」と問いかける。脚本を書いたのはポーランドの新人脚本家で、執筆当時はIT企業でビッグデータを分析する仕事をしていたという。監督は、家族や共同体を「私たちを守りもするが閉じ込めもするシステム」ととらえ、『聖なる犯罪者』以来追い続けてきたテーマと結びついていると明かしている。

撮影は、25年前にテレビ番組『ビッグ・ブラザー』のポーランド版で15人の参加者が自ら進んで監禁されたワルシャワのスタジオと、イギリスのヨークシャーで行われた。監督は本作を「手錠にかけられた道徳劇」と表現している。

青空の下でピクニックを楽しむ一家とトミー
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10月14日、鎖につながれた青年を囲む“家族”の本ポスターが解禁

10月14日には本ポスターも公開された。一見するとどこにでもある家族の団らん風景だが、トミーの首にだけ頑丈な鎖がはめられている。周囲には血しぶきが飛び散り、「正しい 家族の つくりかた。」というキャッチコピーが添えられた。

映画『HEEL/ヒール』本ポスター
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プロデューサーには、ポーランド映画界の巨匠イエジー・スコリモフスキと、半世紀以上のキャリアで80本以上の作品を手がけたジェレミー・トーマスが名を連ねる。トーマスは今月11日、77歳で亡くなったと報じられた。『HEEL/ヒール』は11月27日(金)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかで全国公開。

10月23日、助けを求めるトミーをハウスキーパーが見捨てる本編映像が解禁

11月27日の公開を前に、屋敷の異様さがにじむ本編映像が公開された。地下で鎖につながれたトミーが、ようやく見つけた“家族以外の人間”であるハウスキーパーのリーナに「ヤツらが来る前に助けてくれ」「行くな」と必死にすがる場面から始まる。張りつめた状況とは裏腹に、まわりには小鳥のさえずりがのどかに響いている。

だが、家主クリスとの契約で仕事を失うことを恐れるリーナは、トミーを見なかったことにして立ち去ってしまう。続いて映るのは、「異常に見えるかもしれないが、長く閉じ込めるつもりはない」「トミーは今、反抗期なんだ」と、監禁をまるで子育ての一場面のように語るクリスの姿。戦慄とブラックユーモアが同居する、本作らしい一幕だ。

地下室で首輪と鎖につながれたトミー
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10月30日、地下の監禁部屋での“躾”を映した本予告が解禁

11月27日の公開まで1カ月を切り、本予告が公開された。映像は、クリス一家の屋敷の地下にある監禁部屋で、鎖につながれたトミーに、クリスが彼の過去の破壊行為を記録した動画を見せる場面から始まる。穏やかな声のまま責め立てるクリスに、トミーは鎖を引きちぎろうと抵抗するが、鎖はびくともしない。クリスはそんな態度を反抗期の子どもをなだめるようにあしらいながら、少しずつ彼を追い詰めていく。

やがてトミーは謝罪の言葉を口にし始め、クリスも彼を「いい子だ」と認めるようになる。それが本当の反省なのか、監禁から逃れるために父親の望む“いい子”を演じているだけなのかは、予告の時点ではわからない。

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