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「もうライヴはできない」から2年。ポール・サイモン復帰ツアーが作品に

FRONTROW Editorial Dept.
BY FRONTROW Editorial Dept.
「もうライヴはできない」から2年。ポール・サイモン復帰ツアーが作品に
Photo by Jake Edwards

サイモン&ガーファンクル時代から60年以上にわたって歌い続けてきたポール・サイモンの、7年ぶりのツアーを収めたライヴ作品『クワイエット・セレブレーション・コンサート in シアトル 2025』が、日本では11月27日に発売される。海外では2CDと映像作品が別々に出るが、日本盤だけは2CD+Blu-rayの3枚組パッケージにまとめられる。

ポール・サイモンのアーティスト写真
Photo by Jake Edwards

左耳の聴力をほとんど失っても

このツアーは、本来なら実現しなかったかもしれないものだ。ポール・サイモンは2018年の「フェアウェル・ツアー」を最後にツアーから離れ、2023年に7年ぶりの新作『七つの詩篇』を発表した。しかしそのころ、左耳の聴力をほとんど失い、復帰どころか今後の音楽活動さえ危ぶまれる状況に陥っていた。本人も「重度の難聴のため二度とライヴを行うことはできない」と語っていた。

状況を変えたのは、スタンフォード難聴治療イニシアチブと制作チームの協力で組み上げた新しいモニターの仕組みだった。これによってライヴ演奏の再開が可能になり、その発言から2年後に「クワイエット・セレブレーション・ツアー」が実現した。

ツアーは2025年4月4日のニューオーリンズ公演から始まり、全米58公演を回って8月にシアトルで閉幕。その成功を受けて、2026年にはイギリス、アイルランド、ヨーロッパ各地、そして北米を回る追加ツアーも行なわれた。

組曲『七つの詩篇』33分から、「サウンド・オブ・サイレンス」まで

今回の作品に収められたのは、ツアー最終日となった2025年8月6日、シアトルのマリオン・オリバー・マッコー・ホールでの公演の全編だ。ステージは、ライヴで体験されることを前提に作曲・編曲された33分の組曲『七つの詩篇』の全曲演奏で幕を開ける。その後は「グレイスランド」「恋人と別れる50の方法」「ボクサー」「サウンド・オブ・サイレンス」といった代表曲から隠れた名曲までが、新たなアレンジで披露された。

バンドにはスティーヴ・ガッド、バキティ・クマロ、マーク・スチュワートらが名を連ね、録音とエンジニアリングはグラミー賞受賞歴を持つビフ・ドーズが手がけた。

海外メディアの評価も高い。ローリング・ストーン誌は「過去1世紀を代表する偉大なソングライターの凱旋とも言えるものだった」と評し、ロサンゼルス・タイムズ紙は「再び彼を観る機会があるなら、決して逃してはならない」と書いた。

日本盤だけの3枚組

ポール・サイモン『クワイエット・セレブレーション・コンサート in シアトル 2025』ジャケット写真
画像提供:ソニー・ミュージック

日本独自パッケージはマルチ・ジュエル・ケース仕様で、CD1&2には高音質のBlu-spec CD2を採用。CD1に『七つの詩篇』、CD2に「グレイスランド」から「サウンド・オブ・サイレンス」までの15曲を収める。Blu-rayにはCDと同じ公演の映像(日本語字幕入り・約148分)に加え、特典映像としてエクステンデッド・インタビューも入る。解説・歌詞・対訳付きで、価格は7,920円(品番SICP-31887~9)。

1941年生まれのポール・サイモンは、サイモン&ガーファンクルとして1964年にデビューし、16のグラミー賞を受賞してきた。10月13日の誕生日を目前にした彼が、聴力の問題と向き合いながらステージに戻った記録が、ようやく日本でも手に取れる形になる。

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