香港映画界を代表するウォン・カーウァイ監督作品のオリジナル・サウンドトラック5タイトルが、日本で初めてLP化される。作品ごとに色を変えたカラー・ヴァイナル仕様で、10月28日に一挙リリースされる。(フロントロウ編集部)
作品の記憶を、色付きの盤に閉じ込めて
映像美と同じくらい、流れる音楽で記憶に残る——ウォン・カーウァイ監督の映画は、そんな稀有な存在だ。所属レーベルのユニバーサル ミュージックによると、その代表作5タイトルのオリジナル・サウンドトラックが、このたび日本で初めてLP化されることが決まった。対象となるのは『恋する惑星』『天使の涙』『ブエノスアイレス』『花様年華』『2046』で、いずれも完全生産限定のカラー・ヴァイナル/180g重量盤仕様。10月28日に5作同時でリリースされる。
注目は、作品のイメージをそのまま映したヴァイナルの色だ。『恋する惑星』はクリア・イエロー、『天使の涙』はクリア・ライト・グリーン、『ブエノスアイレス』はクリア・グリーン、『花様年華』はクリア・レッド、『2046』はクリア・オレンジと、5作それぞれに異なる色があてがわれている。棚に並べた時の色の連なりまで含めて楽しめる、コレクター心をくすぐる仕様だ。

フェイ・ウォンの歌声から、ピアソラのタンゴまで
5作のサウンドトラックは、音楽の色合いもまるで違う。『恋する惑星』には、フェイ・ウォンが歌う「夢中人」をはじめ、90年代香港カルチャーの空気を封じ込めた楽曲が並ぶ。ネオンに滲む夜を舞台にした『天使の涙』は、フランキー・チャンとロエル・A・ガルシアによるスコアが登場人物たちの孤独を映し出す。
舞台を南米に移した『ブエノスアイレス』では、アストル・ピアソラをはじめとするタンゴやラテン音楽が響き、『花様年華』は梅林茂による「夢二のテーマ」とナット・キング・コールの歌声が優雅な余韻を残す。そして『2046』は、クラシックからラテン、ジャズ、ポップスまでを横断する多彩なスコアで作品の世界を彩っている。1本の映画としてだけでなく、一枚のアルバムとしても成立する完成度こそ、ウォン・カーウァイ作品の音楽が長く愛されてきた理由だろう。
4Kレストアを経て、いま改めて手元に
今回LP化される5作品は、『花様年華』の製作20周年を機に、ウォン・カーウァイ監督自らの手で4Kレストア化されたものだ。日本でも2022年に「WKW4K ウォン・カーウァイ4K 5作品」として劇場公開され、時代を超えて色褪せない映像美があらためて大きな注目を集めた。その流れを受けて、今度は音楽が最良のかたちで手元に届くことになる。
各作品の価格は7,700円(税込)で、いずれも完全生産限定盤。さらに本シリーズには特典の封入も決定しており、詳細は後日発表される予定だ。映画館のスクリーンで浴びた音を、今度は自宅のターンテーブルでじっくりと——ファンにとっては、作品世界にもう一度ひたるための格好の一枚になりそうだ。
















