【フロントロウ編集部】
たった2ドルで人生相談に乗る企画を実行したり、地下鉄に自分のオススメの本を隠してみたりと、ファンとちょっと変わった交流を続けている女優のエマ・ワトソン。しかし、そんなエマ、実はファンとの写真撮影には応じていないそう。それには、エマなりの考えが。写真撮影をNGにした理由や、引退を考えた過去について、米Vanity Fair誌のインタヴューで明かした。
鏡に映った自分に「誰?」と問う日々
2001年に『ハリー・ポッターと賢者の石』でハーマイオニー・グレンジャー役としてデビューしたエマ。順調にキャリアを積んできたかのように見えた彼女にも、迷いがあった時期があったという。
2011年に『ハリー・ポッター』シリーズの最終章が公開された頃、華やかなハリウッドでの生活とは裏腹に、別世界にいるような感覚を持っていたと、今回エマが告白。
「たくさんメイクして、こんな大きなふわふわしたのがついたドレスを着て。よく洗面台に両手を置いて、鏡に映った自分に言ったわ。『この人、誰?』って。鏡の中から私を見返している人とは、つながっていなかったの。すごく心が乱された感覚だったわ」と、レッドカーペットを歩く自分と、本当の自分との間につながりを感じられていなかったと語った。
進学を機に引退を考えた過去も
また、エマは2009年に名門ブラウン大学に入学した時には、もう演技の道には戻らず日常生活に戻ろうと思っていたそうで、「有名になって、もう引き返せない段階まで来てるって分かったの」「辞めるなら今しかないって思っていたわ」と、引退も考えていたことを明かした。
しかし、「10歳か11歳からこの仕事をしているけど、よく思っていたのは、私にはこの仕事が本当に向いていないってこと。だって、私はまじめすぎるんだもの。私って、面倒くさくて、難しくて、うまくなじめないの。それでも、私も年を重ねて気づいたの。ダメ!大きいものでも小さいものでも闘っていかなくちゃ、だってそれこそが私なんだもの、って」と、仕事に向き合うことに決めたのだという。
写真を撮らない、エマならではの理由とは?
そんな葛藤を乗り越えてきたエマは、最近、「ファンとの写真は撮らない」というポリシーを持っているそうで、その理由をこう説明している。
「女性のマーチ」では、ファンと至近距離で交流した。「私にとって、(写真撮影は)生活できるかどうかの違いなの。誰かが私と写真を撮って、(SNSに)投稿したとするわ。そうすると、私が10メートル以内にいるってことが正確にわかる目印が2秒以内に作成されてしまうのよ。私が今何を着て、誰といるか、みんな分かっちゃうの。私は、そんな追跡データはあげられないわ」。
残念ながらエマと写真を撮ることは出来ないけれど、その代りにエマはサインに応じて、「ここに座って、あなたの知りたい『ハリー・ポッター』ファンならではの質問すべてに答えるわ。でも、写真は撮れないの」と、自ら言うのだそう。
自分のプライベートを守るために写真撮影を断るセレブは少なくないけれど、その代わりに話をしてあげるところに、エマの優しさが垣間見える。