【フロントロウ編集部】
2月9日にNYではじまり、3月8日にパリで幕をおろすファッションウィーク。フロントロウ編集部では、今シーズンファッションウィークで起こった出来事をピックアップしてご紹介。
1.ぽっちゃりモデルがランウェイで活躍
今年のランウェイで目立っていたのが、プラスサイズと呼ばれる「サイズゼロではないモデル」の活躍。ぽっちゃりモデルのアシュリー・グラハムがマイケルコース(Michael Kors)のランウェイを歩いた以外にも、今シーズンはプラスサイズモデルが多く登場し、ファッション界にボディサイズの多様性が訪れている。
クリスチャン・シリアーノ(Christian Siriano)のコレクションに登場したモデル。ぽっちゃりモデルはクロマット(Chromat)のランウェイでも見ることができた。
2.モデル以外がドルチェ&ガッバーナのランウェイへ
イタリア発の人気ブランド、ドルチェ&ガッバーナ(Dolce & Gabbana)のコレクションでは、モデル以外がランウェイを歩き話題になった。
まずファーストルックを飾ったのが、映画プロデューサー、アマンダ・ハーヴェイの家族。ほかにもブロガーや、ビヨンセに認められた姉妹シンガーデュオのクロイ&ハーリー・ベイリーなどがランウェイを歩いた。ハイブランドのひとつのコレクションでプロのモデルではない人がこれほど多く歩くのは、おそらくファッションウィークでは初めてだろう。
3.ドルチェ&ガッバーナのコレクションにジャスティンT シャツ
先ほども紹介したドルチェ&ガッバーナのコレクション。同コレクションではセレブ好きにはお馴染みのジャスティン・ビーバーがプリントされたTシャツが発表された。過去にはハイブランドのヴェトモン(Vetements)が「Justin 4ever(ジャスティンよ永遠に)」と描かれたトップスを発表して大ヒットしたが、ドルチェ&ガッバーナのこの決断は、若い層を取り込むきっかけに繋がる予感がする。
4.乳がんサバイバーたちがランウェイへ
2月12日にNYで行われたランジェリーブランド、アナ・オノ(Ana Ono)のランウェイモデルは、全員が乳がんを経験した乳がんサバイバーたち。実は、デザイナーのダノ・ドナフリーも若年性の乳がんを経験しており、乳がんで胸を片方失った人や乳がんを経験した人向けのランジェリーを発売している。そして今回ランウェイに登場した16人の乳がんサバイバーたちは、手術跡を隠すことなく堂々とランウェイを歩き、拍手喝采を受けた。
5.ベハティ・プリンスルーが復活
ミラノで行われたヴェルサーチ(Versace)のコレクションで、約1年ぶりにヴィクトリアズ・シークレットのエンジェル、ベハティ・プリンスルーがランウェイに帰ってきた。彼女は昨年9月にバンド、マールン5のヴォーカルであるアダム・レヴィーンとの間にダスティローズちゃんをもうけ、しばらく休養に入っていた。
久しぶりにランウェイに現れた彼女は、ミラノに入ったのはショー前日で、ショーが終わった翌朝には家族が待っているLAに帰ると米Vogue誌にコメントし、今はキャリアより家族が大事ということを示した。出産して約5ヵ月で元の体型に戻すのは、さすがトップモデル。
6.ベラ・ハディッドH&Mのコレクションで元彼と共演
パリで行われたH&Mのコレクションでは、ベラ・ハディッドとザ・ウィークエンドの元カップルの共演があった。2人が舞台上に一緒に姿を現したのは、昨年の12月に行われたヴィクトリアズ・シークレットのファッションショー以来。フィナーレに、モデルたちがウィークエンドの周りに集まるシーンで、ベラも他のモデル同様ウィークエンドの音楽に身体を揺らし楽しんでいる姿が目撃された。
7.ミッソーニ、ラストは全員「プッシーハット」でランウェイへ
2月25日にミラノで行われたミッソーニ(Missoni)のコレクションのフィナーレには、モデルたち全員が「プッシーハット」を被って登場。プッシーハットはトランプ大統領の就任翌日に催された「女性のマーチ」での結束を呼び掛けるために発案されたアイテムで、これを被ることは、マーチに対する支持、さらには女性の人権運動への支持を意味する。
最後にはこの象徴的な帽子を被ったデザイナーのアンジェラ・ミッソーニがマイクを持ち、「ファッション界は団結し恐れないということを世界に示そう」とコメントした。
このほかにも、ヒジャブを被ったモデルが多くのブランドで起用されたり、「団結・結束・全員を受け入れる社会を支持する」という意味を持つ白いバンダナ運動が注目を浴びたりと、今季は「社会的メッセージの発信」がキーテーマのファッションウィークとなった。