「タイムズ・アップ」運動が始動
2018年に突入した新年早々、多数の人気女優たちがこぞってSNS上でシェアしている「Time’s Up(タイムズ・アップ)」というメッセージに、「これは一体何?」と疑問を持った人は多いのではないだろうか。
発起人の1人である映画『キューティー・ブロンド』のリース・ウィザー・スプーンや、2017年にアカデミー賞主演女優賞を受賞したエマ・ストーン、2018年のゴールデン・グローブ賞にノミネートされているメリル・ストリープらをはじめ、映画『美女と野獣』のエマ・ワトソン、ドラマ『ゴシップガール』のブレイク・ライヴリー、映画『キックアス』のクロエ・モレッツら、数えきれないほどの人気女優たちが賛同を表明しているほか、映画『スターウォーズ』シリーズのナタリー・ポートマンがこのためにインスタグラムのアカウントを新設してまでサポートしているこの運動は、現代社会に蔓延するセクハラの撲滅を訴える目的で2018年元日に始動。
日本語に訳すと「時間切れ」を意味するこのスローガンには、これまで黙殺されてきたセクハラや性差別、虐待などを「もう見て見ぬふりをするのは終わりにしよう」という力強いメッセージが込められている。
被害者のための支援基金設立 新法律の制定も視野に
米ニューヨーク・タイムズ紙には、大物映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ・スキャンダルを皮切りに次々と被害者の告発が相次いでいる映画界だけでなく、一般的なオフィスや、とくにセクハラが見過ごされがちな農業や生産業に従事するブルーカラーの職場で働く人々への配慮や支援を呼びかける全面広告が掲載に。
キャンペーンの開始とともに被害者を法律面で支援する基金の設立が発表されたほか、セクハラを黙認し続ける企業に対して罰則を科す、新しい法律の制定を目指そうと訴えるなど、今度ばかりは臭いものに蓋をする悪しき風潮を根絶しようと主張を展開した。
有名女優たちだけでなく、プロデュサーや法律家などハリウッドで活躍する女性たち300人あまりが一斉に賛同を表明した「タイムズ・アップ」運動は、現在も規模を拡大中。女性だけでなく、シンガーのジャスティン・ティンバーレイクら、男性たちもサポートを表明している。
また、同キャンペーンでは、米現地時間1月7日に開催されるゴールデン・グローブ賞で黒いドレスを着用し、セクハラや性差別に抗議しようというムーブメントにも触れられており、女性だけでなく男性を含む、より多くの出席者たちに黒の衣装を着るよう促している。