アイルランドで人工妊娠中絶の是非を問う国民投票が行われ、66.4%が賛成と投じて中絶が合法化されることが決まった。舞台裏では、国外に暮らす多くのアイルランド人が投票のためだけに帰国し、合法化の追い風を作っていた。

 アイルランドではこれまで、中絶は母親の命に危険がある場合に限って認められてきた。レイプ被害を含めて望まない妊娠の場合は認められず、施術が必要な女性は、国外へとわたる必要があった。

 26日にこの憲法改正の是非を問う国民投票が行われたのだが、女性の権利を左右する投票に参加するために、多くのアイルランド人が一時帰国をした。

 SNSでは「# HomeToVote(意味=投票のために帰ってきた)」というハッシュタグが流行し、多くの国民が、投票のためだけに一時帰国する様子をアップ。

 アイルランド国内の空港では、投票のために一時帰国する人々を乗せた飛行機が次々と降り立ち、なかには、投票日にベルリンでの仕事を終えたあと飛行機に飛び乗って投票締め切りギリギリに間に合ったという女性もいた。

 結果的に、賛成66.4%・反対33.6%で、人工妊娠中絶が容認されることとなった。

 アイルランドでは過去にも同じ現象が起きており、2015年に同性婚の是非を問う国民投票が行われた時にも、多くの国民が一時帰国。同年、アイルランドで同性婚が合法化された。

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