新作映画でトランスジェンダー役
人気女優のスカーレット・ヨハンソン(33)が、主演映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』のルパート・サンダースと再タッグを組み、新作映画『Rub & Tug(原題)』に出演する。
同作は、1970年代のアメリカでマッサージ店という名目で売春宿を経営していた実在の犯罪者のダンテ・テックス・グリルの人生を描く。
そのダンテ役をスカーレットが演じると言われているのだが、ダンテがトランスジェンダーであることから、一部でキャスティングに問題があると批判を受けている。
女性として生まれ、男性として生きたトランスジェンダーのダンテを、ストレートのスカーレットが演じることについて、「トランスジェンダーの男性をキャスティングすべき」だという否定的な意見が寄せられるなか、スカーレット本人が反論した。
Bustleがスカーレットの広報担当にこの批判についてコメントを求めたところ、スカーレット本人の発言として、こんな返答が帰ってきたという。
「(批判する)人たちに、ジェフェリー・タンバーやジャレット・レト、フェリシティ・ハフマンにも同じことを聞いてみてください」
スカーレットが挙げた3人の俳優は過去にトランスジェンダー役を演じ、エミー賞やアカデミー賞、ゴールデングローブ賞などの栄誉ある賞に輝いた人たち。
「演じる者」である俳優が、演技力とは関係ない理由で批判を受けたことについて、スカーレットは同じようなキャラクターを演じ、その演技力が評価された事例を用いて反論した。
一方で、ストレートの俳優陣が性的マイノリティの役柄を演じることが問題視されるようになった背景には、当事者であるLGBT+の俳優の仕事の機会が奪われてしまうことを懸念する声が強くなったことがあげられる。
スカーレットとルパート監督の作品といえば、2017年に公開された映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』でも、原作のアジア人キャラクターを白人のスカーレットが演じたことで、ホワイト・ウォッシュと問題視されていた。
再タッグを組んだ今回の作品もまた、キャスティングで論争を生んでしまった。(フロントロウ編集部)
※追記(2018年7月)
声明を発表した約1週間後に、スカーレットがOut Magazineを通して再び声明文を公開。LGBT+コミュニティの人たちを中心に批判の声が絶えなかったことを受けて、同役を降板することを発表した。