『ゴシップガール』黄金時代を振り返る
2012年にアメリカ本国での放送が終了してからも、世界中のファンたちの間で復活が熱望されているドラマ『ゴシップガール』。社会現象的な人気を誇っていた同作に出演していた頃のことについて、メインキャストの1人であるブレア・ウォルドーフを演じた女優のレイトン・ミースターが複雑な想いを語った。
米Porter とのインタビューで『ゴシップガール』の黄金時代について振り返ったレイトンは、「(出演中は)すごく特別な時間だった。『ゴシップガール』とは関係の無い部分でも、関係がある事柄においてもね。あの頃の出来事は何事にも代えがたい経験。私にとってはタイムカプセルに大切にしまった時間のようなもの」と、同作に関わったことは、自分の人生においてとても大きな意味があったとコメント。
レイトンが登場したウェブマガジン「Porter」。
しかし、レイトンは、続けてこんな風にも話した。
「あらゆる場面で『あの頃のことが懐かしい?』、『番組内で着た衣装はどうだった? 』って聞かれるわ。そういう質問をしたくなる気持ちもわかるし、それに対してネガティブな意見は無いんだけど、それって、私にとっては『高校生活はすごく楽しかったでしょ? あの頃に戻りたいと思う?』って問いかけられているのと同じなの。正直に言うと、あの頃はすごく貴重で独特で素晴らしい経験をさせてもらったけど、今さらあの頃に戻りたいとは思わないわ。だって、私はただの子供だったんだもの! 」
『ゴシップガール』の撮影が始まった頃、レイトンは20代に突入したばかりの多感な時期だった。そして、今の彼女は結婚して子供の母となった32歳の大人の女性。約10年間の時を経て、『ゴシップガール』以外にもさまざまな経験をしてきたレイトンにとっては、『ゴシップガール』は、すでに“青春の1ページ”として大切にしたい思い出にすぎないということのよう。
知られざる苦悩
さらに、レイトンは、当時、ドラマが公開と同時に大ヒットし、突然周囲にもてはやされるようになったほか、週に5日、毎朝5時から夜8時まで撮影に明け暮れる超多忙なスケジュールを送っていたことについて「大人になってあらためて分析してみると、あまり健康的と言える環境ではなかった」と思いを巡らせた。
「もし、誤った物の見方をしていたら、他人からちやほやされることや、つねに世間の注目を浴びることに混乱してしまっていたかもしれない。だって普通の20歳そこらの子たちがするようなことをしても批判されるし、もし間違いを犯したりしたら、すべてが公になってしまうんだから」と若くしてスターとなった苦悩についても明かしたレイトンは、放送終了から6年が経った今でも『ゴシップガール』がたくさんの人に愛されていることは喜ばしいことだとしながらも、いまだに同作についてばかり質問されることには、複雑な気持ちもあると正直に打ち明けた。
昨年、放送開始10周年を記念して行われた米Vanity Fairとのインタビューでは、復活版制作の噂について「今のところ私の耳には入ってきていないけど、でも、もし他のみんながやるって言ったら、タイミング次第で私も出るかな。『イヤ、絶対やらない』とは言いたくないよね」と、やる気満々の意思を示した共演者のブレイク・ライヴリーと比べるとクールにコメントしていたレイトン。その背景には、人知れず体験した彼女なりの苦労や深い考えがあったからなのかもしれない。
もちろんレイトンは、『ゴシップガール』時代のことを後悔しているわけではない。「私が今こうして幸せでいられるのは、いろんな過去があったからこそ。人生におけるソウルメイト(※)と出会い、子供を持つことができたことはもちろん、キャリアにおいても私はすごく恵まれていると思う。私は今、ずっと望んできた場所に居ると感じるわ」と締めくくっている。(フロントロウ編集部)
※最愛の伴侶。夫アダムのこと。